迷い心


2003年01月11日(土) 夜道

澄んだ空気の中
地の冷たさを
陽のぬくもりが消えた世界を
ゴム底を通し感じる

ここに一人歩く

古くなった街灯が唸りをあげ
その音に誘われるように
反射的に空を見上げる

あぁ この月か

数時間前に君が見た月と
同じ月なのだろうか
空に一つ大きく

同じ空を見上げたのだろうか
僕と君は同じ時間を空間を生きているのだろうか

車の通らぬ道の真ん中を歩く

数時間前にはダンプが疾走していた道
その時に同じ事をしてみたらと夢想する

その時その時
時間の一つ一つに僕がしてきた行動
考えていた事
それらには何か意味があったのだろうか

常に付きまとう思考ともう一人の自分の対話
会話は終わらない

心に住まう住民との対話
君であり君でない

僕の心の中の君

コピーにコピーを重ね
劣化しノイズ交じりの記憶は
それでも僕の中で生き続け
僕を構成する

思考の続きは寝床の中でするとしよう


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仁 [MAIL] [My追加]