とても蒸した日で汗ばんでいた事を覚えてる うつむき加減に呟くように吐き出された 君の誘い文句 どこにでもあるようで どこにも無い君だけの言葉
誘いに導かれるまま 君にエスコートされたあの日
白馬でも高級外車でもなく ただの電車の往路 でも隣に君がいた
花火の熱気と観衆の興奮は 想像以上に体を熱くさせ アルコールなのか 雰囲気なのか分からない酔いが 君の行動を後押しさせた
周囲を忘れふたり宙を見つめる 空の広さはふたりの距離を縮め 肩寄せ合い袖振り合い
大きな花火の一瞬のち うなじに気づく君の視線 潤む瞳 絡む目線
あの時のキスは必然だった
暑い夏を覚えている タンスに仕舞った浴衣の記憶を
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