七竃雑記帳
桂木 炯



 今、立っている場所



唐突ですが
私は、自分の住んでいる土地が好きです

時が止まったよーな理髪店とか和菓子屋さんとか染物屋さんとか
お寺とかお寺とかお寺とか・・・・

あのね、お寺いっぱいあり過ぎて空襲受けなかった土地なの
で、住民だけで町ぐるみ博物館とかやっちゃうぐらい
ちょっと個性豊かなの(笑)


実は私、生まれてこのかた、一度たりとも余所で暮らした経験がありません
だから、今現在住んでいる場所が
私の故郷ということになります

父は山口からこっちへ出てきて
こっちに居る方が長くなったとはいえ
故郷はやはり山口だと思っているようで
老後はそちらで暮らしたいそうです
でも、私はやっぱり今いるところがいいんですよね




人は
肉体を持って生きる以上
足がつく場所に縛られて生きるわけで
そうすると
やはり、生まれた場所にも死ぬ場所にも
それぞれ意味があるように思えたりもするんですよね


地面は続いているけど
空と違って、入っちゃダメな土地とか
人を集める土地とか、実際にあるんだし
もの凄く意志の力や、変わった力を持っているものだと思う
一所にいられない人はいられない人で
土地を渡っていくことに
ちゃんと意味が存在してるんじゃないかなぁって思う


だから
同じ土地で生まれて
同じ土地で死ぬことになるっていうのは
その場所でちゃんと役割があったりって
何か意味ってあるんだと思う


どうしても惹かれる土地って大抵の人にはあると思うんだけど
多分、そこに行く意味があって
ちゃんと呼ばれてるんじゃないかなーとか思ったんだけど
なんでそう思ったかって

私、ものすごーく自分の住んでるトコが好きで
街を構成している人が好きなのもあるんだけど
その好きな人達の気風を育てたのって
やっぱ土地
だよね?
って思ったの


好きになるタイプの気風が存在する土地ってあるんだけど
そーいうのって
自分が育ったところに似た気風か
万人が落ち着ける気風だったりする
だから
自分が長く暮らせる土地とか
合わない土地とか
本当にちゃんとあるんだと思う
それで、合わない土地に
無理矢理暮らし続けると、ちょっと良くないこととか
重なっちゃったりするんじゃないかな



最後には土に帰るんだから
生まれた土地も長くいた場所も重要な意味がある
だから、国を捨てなきゃならない人って
本当にどれだけ苦しい思いなんだろうって思った



私にもね、苦手な土地がね(というか都市)
あるんですよ
土地に嫌われているのか
それとも、長く居ない方がいいよって
自分の体が言っているのかどれかは解りませんが


今、現在で2カ所
一方は行くと後々必ず具合が悪くなる
一方は一歩駅を降り立った瞬間
足下からえもいわれぬ嫌悪感が駆け上って来ます


ま、小さな場所で言えば
千日前の某ビルとか・・・(解る人は絶対解る、見る人は絶対見る/笑えない)
あそこはね、本当は建物なんか建てちゃいかんのです・・・




土地にはね
ホントいろんな話があるもんです
色んな人が暮らして死んでそして今の形なんだから
いろんな話があって当たり前っちゃぁ
当たり前


2002年09月06日(金)
自己紹介 目録 手紙



My追加