七竃雑記帳
桂木 炯



 パワー神話はもう必要じゃないだろう?

なんちゅうタイトルではじまるねん?と
既に自分で思っている炯です



TRANSTIC NERVEの5人が揃って
雑誌のインタビューを受けるというのは
活動形式が変わってからほぼ無かったんだけれども
夏のツアーを終えるまでに走り続けた結果が
秋、確実に形を成してきて


9月に2本のインタビュー記事が
ファンの元に届いたワケなんですが
どちらも雑誌的には特殊媒体で流通されていて
両方とも雑誌の雰囲気から言えば
彼らが取り上げられることが、少し新鮮な感覚でもあったりする
両方ともややアングラ的だったりもするカラーの中に
唐突に違う色が飛び込んだ感じ、そんな印象
その細かいところはおいおい書いていくとして


最近は音楽雑誌もカラーがありすぎるか無いかの
どちらかで、カラーがある方はさすがに抱えるライターさん自体
きっちりしたカラーを持っていることが多い
その人達が書くものが、雑誌のイメージになるのだから
当たり前といえば当たり前のことなんだけれども・・・
それも良かったのだろうし、彼ら自体の言葉もそのまま使用してくれる
編集であったのも良かったきがする、関西の訛は時折なおされていたりするから
そうすると、微妙なニュアンスが変わってくることもあって
言葉尻をそのまま書いてくれるかどうかはずいぶん大きな問題だったりする

大幅に流通しているモノに
ぽんと混ざって、黙殺される憂き目にあうのなら
絶対に今回の選択の方が正しいと思った


Zy
多分知っている人は大体成り立ちから知っていて
知らない人はそれが何であるかも解らない音楽雑誌
私は前者の方だけれども、買う事になるとは思っていなかった
高額ですね、でも内容は充実してると思う
素晴らしい写真家さんが撮ってる事も多いのでフォトで買いたい雑誌でもある


そこで実質1ページの割り当てのインタビュー
簡単にまとめると
今日に至るまでの活動の詳細
(役割の分担も含めどのような意図で夏のツアーを執り行っていたか)
それに伴う心境の変化
次の活動内容とコンセプト、それに対する決意表明(笑)

まず、もの凄く読みやすい
バンドとしての活動の経過が明確なのと
一人一人の意志がはっきり文章に現れているから

で、言葉的に引っかかったのは
「強くなった」
というのが端々に出てくること

この「強さ」の表現は彼らが本当に頭の回転がいい証拠に思えた


戦後、高度成長時代に日本中が「高学歴=いい人生」という「物語」にすがっていて
「パワー」を信仰している人たちは、コミュニケーションする力よりも
他者をコントロールする強さを求めるようで
まさに彼らが今までいた枠とは
その神話を強く信じる人間によって動かされていたような場所で
本文にもあるように彼らが「いい子」だと言われていたのは
その一部の対競争化社会の視点から見たところの「いい子」
であったような気が私はする
「他者をねじ伏せられない=力の弱い気の優しい、いい子」という図式
それは、今の社会ではあまり成り立たなくなってきているんだけれども


そもそも、本来自分の内にあるものを時に身を切るような思いで
形にして世に送り出す作業は強くないと無理で
その強さとは、自分の内面と折り合いをつけて
内なる葛藤と戦っていけるという強さであって
他者に対しての優越感をベースにしたような強さでは無いはず
だから
枠にいることによって、強さをすり替えられようとしたが為に
一時でも、他者の声が聞き難い枠の中にいたために
本来持っていた強さを失っていただけじゃないんだろうか?と
私は思っていたので
色々なことが取りざたされているときも
気づいた(というか自分を取り戻した)彼らに怖いモノは多分ないだろう・・・と
ましてや、呑気な立場のファンが口角泡とばして問題定義する必要も・・・
というか、そこは創作を仕事にする人間に向かって
出来ることではないだろう、大それていて
と、いう感じだった


基本的に一人一人が別の個性でもって
強い5人が失敗こそあれ
間違うことは
あんまり無いんじゃないのか?
と、ずっと思っていたんだけれども
今回の記事できっちりそれが証明された形になっていた


元の強さを取り戻して
年齢があるぶん、その「強さ」もがむしゃらなものではなくて
一度外から客観的に、自分が持てる「強さ」を眺めて
補える方法をちゃんと会得した
安心感と自信が文章にはあって

その使い方も
どの世代にも納得できる言葉の使い方を
全員がしているけれど
その短い中に、役割分担が見えていて
でも、力の部分の説明をするTALさんの
各世代でいい誤解が出来るような言葉回しに
うれしさと共に
してやられた感が襲ってきて
ちょっと
笑ってしまったんだよね


ストレートに読んでたんだけど
途中から、何重にも意味があるような気がして
どこを取り上げればいいか解らなかったので
「力」部分で話してみたけど
まとまらないものだね


あくまでも、共感をベースに付き合う
世代的に言って珍しいタイプの彼らだと思うんだけどね私は
だって、「勉強しなさい」っていわれる時期には
「かくあるべき」と「誰よりも強く、頑張ればなんとかなる」の
今現在もアメリカで続くような
パワー神話がまだまだ色濃い時代だったはずだもの
それに、染まらずに内からわき上がる何かを形にすることを選んで来たのだから
強かったんだよ
感受性があって柔軟であるからこその強さが

枠に放り込まれるまでは・・ね


「強く」あるのに必要なのって
自分の本来持っている能力を理解出来ていることと
信じていること
そして周りに同じく力を認め合える人と
無償で支えてくれる誰か
そして必要としてくれる誰かがいること
だと思ってるんだけどね私は

少なくとも
私はこのバンドが
や、この5人が必要なんだよ
今までも、これから先も
それはホント強く思った
言葉を読んじゃうとよけいにね



今日のR嬢;


くすぐったがり炸裂

人に
肩揉んで
って言っておいて


身をよじよじして逃げる

おいおい
よけー筋肉に力入って
肩こらないか??


2002年09月13日(金)
自己紹介 目録 手紙



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