七竃雑記帳
桂木 炯



 天国への引越し屋さん




とある会社の仕事にまつわる話を
集めた本

その仕事内容は
「遺品整理」

人が亡くなった後
遺族に代わり故人の日用品や部屋の片づけを引き受ける
遺品整理代行専門業者
その方が、自分がかかわった仕事の中から
何編かを綴ったもの

「遺品整理屋は見た! 」扶桑社/吉田 太一著


著書の反響が良く
情報番組でその会社が特集をされることも
多くなっているので、ご存知の方も多いと思います
私自身、アメリカで同様の業種があるのは知っていましたが
日本にも存在すると知ったのは、報道番組でした


「天国への引越し屋さん」という気持ちで
淡々と遺品を整理する
その現場は

孤独死した独居老人の居宅
自殺した若者の居宅
事件で亡くなった人の居宅
無理心中で夫婦共々亡くなった店舗兼住居
・・・・等々

警察は、ご遺体のみをその部屋から移動させます
けれども、その方が生きていた頃に必要であった
さまざまな品物は
その時全て「遺品」になります

コレクションであろうと思い出の品であろうと

それを、申し出たならばご遺族へ
申し出る方がいなければ
供養して破棄などの措置を・・・


何よりも、血縁者も少なく、そして遠く・・
近くても、心は遠く・・
という現状がとても多い現実が淡々と綴られています
きっと
どの現代ホラーよりも、恐ろしくて切ない話


都会に住む現代人は
「死」がすぐ近くにあることを忘れがちなんだなと
想像が追いついていかない自分に反省しつつ思いました



というか
ほんと、こんだけの物どうすんだー?(物の多い部屋)
やっぱり、見られたくないものとか結構あるじゃない!(あるよね!?)
だからって、どうにも出来ないんだけどね
なんかあったら自動的に消滅してくれ〜(無理/笑)


2007年02月10日(土)
自己紹介 目録 手紙



My追加