あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 日の、残る (中途) 2003年03月10日(月)


ひそめて、夜の話をしよう

瞼を硬く閉ざしていた頃
光も、輝きも、
向こう側のもので
ただ
ぬくもり、という言葉だけがあった

手放さぬように握り締めながら
遠く、ひだまりを欲して
開くこともできずに
幾度も、幾度も
泣いたのだった

誘われて、いつしか歩き出した
掌はほどかれ
すりぬけてゆく
その、暗がりの

ひそめて、私は思い出す
繰り返された音節
水の中で、揺れていた
あの、彼方の、ひかり

いつか帰り着いた日に
ここに

掌に残されている

その

ひかり

ひそめて、静かに待ちながら





過去 一覧 未来


My追加
 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe