あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 きつね 2003年05月15日(木)

そして天は、歯軋りするほどに高くはなく
大地も
這うほどには低くなく
望むのならば、この、足は、


──神様

  なぜ私には尾があるのでしょう

  湿った土の上を這うだけの

  空など見えぬ虫ならば

虫ならば、この、足は。

跳ねぬでしょう地を蹴らぬでしょう

けれど
今日も空は青く、遮る夏草も私の上になく
風だけが背中を押すのです

望め、と。

ただ 望め、と。



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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe