台所のすみっちょ...風子

 

 

就活 その3 「でっしゃろ」の巻き - 2005年04月19日(火)

前に日記に書いた、何の音沙汰もないギャラリーとは違う、別の

ギャラリーから返信が来た。

「是非一度、お会いしたいと思います。僕は一日中ギャラリーにいます」


募集は「アソシエイトスタッフ」というものだが、

どんなスタッフなのかちっとも分からなかったので、

とりあえず話だけでも・・と、先週の木曜日、銀座まで行ってみた。


メールでのやり取りで、オーナーは40歳前後ぐらいかと

思っていたが、出た来たのは60歳ぐらいのおじさん。

紺のブレザーにチェックのシャツ。髪の毛はシルバーグレーで、

いかにも銀座の紳士風だ。


だが、口を開くと、思いっきり大阪弁で、

「そう思いますねん」「でしゃろ〜」「あきまへん」

などなどを連発し、これからのギャラリー事業のビジョンを

延々と聞かされ、2時間があっという間に経過した。

それは、「作家を世に送り出したり、美術を一般の人に広めたい」というよりは

「この仕事で儲けたいんでんがな」という堺の商人みたいな感じであった。


私がようやく「アソシエイトスタッフ」の意味を聞けたのは、さらにそれから

30分ほど経過した面接ももう終わり、という頃であった。

「あの〜、アソシエイトスタッフというのは・・お金は〜?」

「出まへんなぁ〜。今の人はすぐお金言いますけど、ギャラリーの
 仕事はそんな甘いもんやありまへん。地道な仕事なんですわ。
 まあ、でっち奉公みたいなもんですわな」

「てことは、無償・・?ボランティアですか・・?」

「そうですなぁ〜。逆に金払うと、それに甘えて人が育ちませんのや。
 教えるのやから、こっちが授業料払ってもらいたいぐらいですわ」

つまり、アソシエイトスタッフというのは、ギャラリーを広めるための

ボランティアのお手伝い要員のことで、空いてる時間、自分んとこの

ギャラリーの活動に参加しつつ、学んでみなはれ、ということらしい。

だが、オヤジの真の狙いは、

スタッフが他のギャラリーの展示会を見に行く→芳名帳に自分の所のギャ

ラリー名を書く→それを続ける→自分のギャラリーが有名になる→

有名な絵描きが是非個展を!と言ってくる→儲かる

または

国立西洋美術館とか有名な美術館に行く→そこに自分の所で今後やる展覧会の

ハガキを置いてもらえるように直談判する→来た客がそれを手に取る

→人がドシドシ来て集客力のあるギャラリーになる→作家たちが競ってそこで個展

を開きたがる→儲かる

と、そんなところにあるらしい。


何か良く分からない考え方だったが、

唖然とする私にオヤジはこう言った

「良い考えでっしゃろ〜?」


・・・・・・・でっしゃろ?って言われても・・。


おしまい。
 


...




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