スポットライト。 - 2005年11月09日(水) 先日、二回目の内覧会が終わった。 一度で済みたかったところではあるが、一回目の内覧会で 壁の汚れ。クロスの張り方。ドアの傷などなど指摘箇所が 73個にもおよび、再度のチェックとなったのだ。 その数は異例だったらしい。すべてを見終えた後の 施工会社の人と私のやり取りはこんな感じだ。 「こんなにチェックされたのはお宅様が初めてです」 「まさか。冗談ですよね?あっ、それってうちが2件目ってこと?」 さて、今回はというと、ドアの傷や壁の汚れは直っていたものの、 クロスの張りが相変わらず非常に甘い。 際のジョイント部分がきれいでなかったり、剥げかかったりしていた。 前回、「施工主任と話をしたい」と建設会社の所長まで呼んでもらい、 「掃除だって際さえきっちり埃を取れば全体がきれいになったように 見えるじゃないですか〜。クロス張りだって同じだと思うんですよね」 と意見させてもらったのが、全く生きていない。(何様か?) 当然、文句を言うと、担当者が 「ま、また、しょ、所長呼びましょうか?あっ、よ、呼びますね・・」 所長との話し合いは商談室ふうに仕立てた、テーブルが7つある一階エントランス で行われた。 周囲は他の入居者家族や、不動産会社、建設会社の人々でざわついている。 私は目の前の所長に自分の思いのたけをとうとうと話した。 熱い想いの分だけ自然に声のトーンが上がる。 で、途中、ふと気がつくと、不動産会社の責任者までもが、 テーブルの端に両手をかけ、しゃがみこむような感じで、私の顔を見つめている。 そして、小声で「ご入居までには直しますが、クロスというのは、 どうしても時間が経つと縮んで、際が剥がれたりしますので・・」 などと言うのだった。 頼んでもいないのに何故、責任者がいるのだろう?と思った。 旦那が肘で私の体を突付き始める。私はハッとして辺りを見回した。 すると、 お年寄りはまるで喉に餅を詰まらせたような顔で、 子供は舐めていたチュッパチャップスを横取りされたような顔で、 若い人は恋人の浮気を発見したような顔で、 そう、7つのテーブルに座る家族全員の視線が、 私の出す活きのいい声に集まっていた。 おしまい。 ...
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