2003年07月15日(火) |
病床パブリック 其の5 |
あなたの病気は、感情が不安定で、激しい怒りを感じたり、自分は生きる価値のない人間だと思って落ち込み、自己破壊的な衝動行為を起こしたかと思うと、数時間後には何事もなかったかのように落ち着きを取り戻します。 対人関係においても、ある人に対して親しみを感じたかと思うと、憎しみの感情を向けるなど、また、周囲の人間を敵か味方かにわけてしまうなど、極端になりがちです。 傷つきやすく、些細なことで見捨てられたと感じ、深い抑うつや絶望を抱くこともあります。
治療目標は、自己破壊的、攻撃的な衝動ををコントロールできるよう、自我を強くすること、自分自身と他者について、首尾一貫した持続的な全体像をもつこと、それによって、安定した対人関係を築けるようになり、社会に適応できるようにあることです。
入院治療では、あなたの不安定な自我を強化するために、規則的なスケジュール、病棟内でのルール、自己破壊的な行為が生じたときの対応など、明確に決めておく必要があります。 あなたのこころの中にはいろいろな感情がうずまいており、入院生活のなかで、そういう感情が、スタッフや他の患者さんにむけられがちです。スタッフがあなたの感情に反応してしまうと、治療関係が崩れてしまいます。そういうことを少しでもふせぐために、入院生活の枠組みをできるだけ決めておくのが望ましいのです。規制ばかりされるようで不愉快に思われるかもしれませんが、あなたの入院治療にとって必要なことですのでご理解ください。
自己破壊的な衝動行為や暴言、器物破損が生じた場合、その場で看護スタッフが、制止したり、対処します。その理由などは、落ち着いてから、または後日、主治医や心理スタッフが聞かせていただきます。場合によっては看護スタッフが聞かせていただきます。対処の内容ですが、薬による鎮静、身体拘束を含みます。あなたのほうから身体拘束を希望していただいてもけっこうです。夜間興奮が激しい場合は、少なくとも翌日午前9時30分まで拘束を続けることもあります。
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