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雨が降ってたけど、カサをさすほどでもなかった。
ヒトは 労働や育児の忙しさに耐えながらもヒトとして生き抜くのと そういうヒトとしての義務を放棄してでも生かされるのと どっちが辛いんだろう?
働いていたときのことはときどき想いだすが それは果てしなく遠い欠片になって今日もキラキラ輝いて私をカラカウ リビングでひとり、林檎を聴きながらバイト雑誌をめくる
アンバランスな雨が、土でもない、アスファルトでもない ただの灰色の地面を濡らしては乾いていく
Uと2人でお茶をしながら、窓の外を歩く人々を見ると みんなせかせかして、しかし、それなりに生きているように見え 私は不安を隠すため、ホットミルクの膜をスプーンで弄び口に入れた
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