2002年06月19日(水) 日本語の テストで噴火 もういやだ
今、私のいる小学校はテスト期間に入っている。
オーストラリアの公立校は、1年間が4学期からなっていて、
私のいるサウスオーストラリア州では、
2学期・4学期にそれぞれテストをして、通知表のようなものを出す。
今、2学期の8週目で(2学期は全10週)、残すところ2週なので、
日本語のクラスでも、生徒の学習状況を評価するためのテストを全クラスでしている。
これが大変。テストと言っても、
子供たちは日本の小学生のようにしょっちゅうテストをしていないので、
テストの何たるかが全然まったく皆目わかってない。
ちょっと目を離したすきに、
「なんでお前は歩き回っとんねんっ」「だって、消しゴムがいるんだもん♪」
なんてことがざら。
「何か質問があったら、歩き回らずに手を上げなさい」と言うと、
ばんばん手が上がって、
「ここの答えは何?」とか
「これって、これで合ってる?」とか訊いてくる始末。
「テストなんだから、教えられないよ。自分で考えな」と言うと、
「ちっ、なんだよ」という顔をする。
日本語のペーパーテストとなると、やっぱり日本語を英語に訳すことになるんだけど、
この「訳す」というのが、これまた全然まったく皆目わかってない。
これにはかなり驚かされる。なので、先週までさんざん「訳す」練習をした。
コンニチハ。
ワタシ ハ ハルミ デス。
14 サイ デス。
シュミ ハ ジュウドウ デス。 <実際はローマ字です>
を、
Hello.
I'm Kate.
I'm 11 years old.
My hobby is horse riding.
などと勝手に変えてしまってる子がたくさんいた。
「違うでしょ。よく見て。14って書いてあるでしょ」と言うと、
「知ってるよ。でも私14歳じゃないもん」と答える。
「あなたのことを聞いてるんじゃないの。ハルミのことを言ってるんだよ」
「ハルミなんて知らないよ。誰?」
「誰とかじゃなくて、この文章をそのまま英語にして欲しいの」
「だから英語にしたじゃん」
と、頭の痛い問答が延々と続く。
オニイサン ハ 13 サイ デス。
を、きちんと、
My older brother is 13 years old.
と訳してくれる子がたまにいるんだけど、
クラスの他の子が、「あんた、お兄さんなんていないじゃん」と怪訝そうな顔をする。
「訳す」という概念がない子供に、「訳す」ということを教えるのが
こんなにも大変だということを初めて知った。
1+1がなんで2になるかを説明している心境。
「2なもんは2なんだよっ」と言ってしまいたい。
で、テストの後半では、ローマ字で書いてある日本語の文章を
1人ずつ読んでもらって、
私が日本語の「発音」と「イントネーション」を評価するというテストをしている。
私のところに4人ずつ来てもらって、読んでもらうんだけど、
その他の子供たちがどうしても騒ぐ。その度にヘレン先生(以下「へ」)が激怒する。
私:「じゃ、ストップって言うまで読んでね。はじめ!」
子:「コンニチハ。 ワタシ ハ・・・」
へ:「こらっ! そこーっ! たまりがテストしてるんだから、静かにっ!」
私:「ごめん。よく聞き取れないから、最初からお願い」
子:「コンニチハ。 ワタシ ハ ハル・・・」
へ:「何度言ったらわかるの!? いい加減にしなさい! 外で立ってなさい!」
私:「ごめんねぇ。また聞き取れなかった。2番からでいいよ」
子:「ワタシ ハ 13 サイ・・・」
へ:「まだしゃべってるの!? 今どういう状況かよく考えなさいっ!!」
ってか、お前が一番うるさいんじゃ、ゴルルァッ!!
どういう状況か考えるのはお前じゃ、ヴォケッ!!
しかもお前が作ったテストは誤植だらけなんじゃ、ゴルァ!!
「アカアサン」って誰じゃ、ゴルァ!!
「アカアサン ハ トウキョウ ニ ハタラキマス」って
どういう意味じゃ、ゴルァ!!
「コニチ」ってどこの国のあいさつじゃ、ヴォケ!!
と、イライラしながら1日を終え、帰るころには、頭がガンガンしてた。
スクールバスの中で、痛む頭に耐えながらやっとこさ家にたどりつき、
ドアを開けると、
ものすごいバニラ臭が私の脳天を直撃。
「冷蔵庫の掃除してるの。この洗剤バニラの匂いなんだ。いい匂いだよね♪」
とサリー。
オイッ、オマエラーーー。ドイツモコイツモーーー。
ゲロ吐きそうになるのを必死で抑えて、就寝させてもらいました。午後5時に。
つづく。
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