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■ 星降る夜に君にふれれば 5-3(前回の続き)
■ 5-3 ■
気がつくと、冷たい雨に晒されたまま泥だらけの地面に俯せになっていた。完全に覚醒した頭で自分の状況を考えると、どうやら崖から落ちたらしことが分かる。辺りはまだ雨が降り注いでいて、何も見えない。何も聞こえない。 樹の根の窪んだ部分にかなりの水がたまっていたから、時間が相応に経過していることを知った。…ああ、そうだ。リーマスから離れようと走ってこうなったんだっけ…と、思い出した。
とにかく、あの崖を登ってそれから…。
身体を起こそうと足に力を入れた途端、鋭い痛みが足首を襲った。見ると足首の少し上の辺りからパンパンに腫れ上がっていて靴が膨れていた。今まで失神していたのと緊張してたために気付かなかったらしい。けれど気付いてしまったために、じんじんと響くようなその痛みは次第に増していく。 魔法を使おうにも杖がないし方向も分からない。更に、あの崖を登って帰る道を探すことだって出来ない。
心細さが押し寄せて来て、ふと、さっき自分で拒絶したばかりのリーマスの顔が浮かんできた。
『なんて都合の良い奴なんだ…最低だ…。』 そんな風に自分の愚かさを笑ったが、笑ったような気がしただけで実際には声もでなかった。声すらも失って、リーマスとも離れて、ひとりぼっちでこんな雨の中で。きっとこのまま誰にも見つけてもらえなくて、死んでしまうのかも知れないな…と思った。 バカだ。…オレは。 さっき子供扱いをするなと怒った癖に、十分に子供以下の行動をしているではないか。何のために怒ったのか。何の為にリーマスに訴えたのか。 『同じ視点でちゃんと見たかったからじゃないのか?』
それなのに結局はこんなザマだ。
最後に見た『傷付いた』と言う顔のリーマスが脳裏に浮かんできた。あんな顔させるつもりではなかったのに。けれども後悔しても今さらどうしようもない。
吸い取られていくような体温を感じながら、シリウスは静かに瞳を閉じた。
「…ウスッ!…シリウス!」 必死に叫ぶ声が聞こえる。 天国かな?でも悪戯たくさんしたからそうじゃないかも知れないな。 ふと、笑いが込み上げてきて、優しい気持ちになった。 声が聞こえる。 消えそうで、か細くて。でも確かに自分を呼んでいる。 うっとりするような心地よさの中に浸っている自分を、懸命に此処につなぎ止めるような、そんな声。 ふわふわ。ふわ。 彷徨する感情を繋ぎながら、 雲をかき分けるような朧げで曖昧なまま、 声を聞く。
…リーマスの声。
瞳を開けると涙を溜めながら必死でオレの名前を呼ぶリーマスが見えた。 何処もかしこも泥だらけで、こんなになるまでオレを探してくれていたのか…と、心がちくりとした。けれど、これ以上は心配をかけたくなかった。少し笑って、『大丈夫だ』と伝えたかったがやはり声はでなくて。仕方がないからそっと指を頬に伸ばした。
『大丈夫だから。』
そう伝えたかったのがリーマスにも分かったようだった。安心したように涙を伝わせながら微笑む。それから何度も何度も『シリウス…』とオレの名前を呟いて、力一杯抱き締めてきた。 そんなリーマスに苦笑しながらも、もっと安心させてやりたくなった。抱き締めてくる腕をやんわりと解きながら、リーマスの顔を掌で包んで近付けさせる。
唇はやっぱり冷たかったけれど、口の中は今まで感じたことがない程に熱かった。
暫くそのまま唇を重ねてから一度離した。 少しだけ見つめあった後、どちらからともなく再び絡めあった。
…心が暖まっていくのを感じた。
TO BE NEXT!
■はい。後編です。 うわあああ!!全然進まないよう!13日の入稿マジで危ないです。ぐはぁ!いやぁぁぁぁぁ!!!と嘆いていても仕方ないので、星降る〜の続きを描いてみました。やはり今回もイイトコロで入れてます。ああ、ホントバカだよね。あたし。(本気涙) ■ここ数日ネットに触れていなかったので、自分のHPの更新の無さっぷりに頭が痛くなりました。ううう。一週間も更新してないよ〜。しくしく。甘々バカップル小説描きたいよう!!更新したいよ〜。いつもいつも覗いてくれる皆さんに申し訳ないですよ。まじで。(カウンターが回っているのを見ると申し訳なさっぷりに切なくなるですよ。あたし)…後数日で勝負が決まります。ガンバリマス!!! ■原稿が無事に完了したら堰を切った勢いでドカンと更新しまくりますので、待っていてやって下さい!!キリ番のリクエストも承ったので、近いうちに小説とイラストをアップしたいと思います。さて、これから原稿スルぞ〜!! ■励ましのメールやカキコが欲しい季節になりました。(苦笑)いや、何か孤独な作業なんですよ。マンガ描くのって。(誰も突っ込んでくれないしね〜。るるる〜。)
(ちなみに、これが終わったら速攻で120PのEVERに取り組みます!!)
2002年09月10日(火)
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