written by 田村 MAILHOME
#フランソワについて。
2006年02月01日(水)

今日はブルーライオンには行かなかった。
べ、別に怖気ついたわけじゃないぞ!
ちょっと仕事で遅くなって行けなかっただけなんだから!
金曜日に行きますとブルーライオンに伝えておいた。
命拾いしたな(私が)。


さて、職場の何人かの方に車検費用についてご相談申し上げたところ、皆口々に


「買い換えた方が良いよ」

「私だったら買い換える」

「それは車検通さないでしょ」

「俺も買い換えたくなってきた」


と、買い替え派が圧倒的多数であった。
今回はとりあえず車検は通して、2年後に買い換えようと考えていたのだが、大きく心が揺らぐ。確かに、満5年で12万km、ろくに整備もしていないのに、よく走ったと思う。帰りの車の中で、色々と考える。


色々と考えたら、余計なことを思い出してしまった。


フランソワが納車された日、初めてフランソワと出会った日のことだ。
ちょうど今から5年前の2001年2月1日、フランソワは田村家に来たのだ。

インテグラでブルーライオンまで引き取りに行ったあの日は確か快晴で、強い陽射しの中、駐車場でフランソワは新車ならではの光沢を放っていた。
チャイナブルーという色は、光の下で多彩な表情を見せる。太陽光、月光、明るい照明、暗い証明、様々な光に応じて、輝きを見せる色なのだ。その日、強い陽射しを浴びたフランソワは、力強く、というかちょっと派手過ぎてこちらが引くぐらい、それほど自己主張して光り輝いていた。正直「とんでもねぇ色を買っちまった」と思った。

しかし、そんな地味にアクの強さを見せるフランソワが、私は大好きだったのだ。室内の灯りが切れる、右サイドミラーが手動になる、ポケットがひとつもない、ハンドルが重い、リクライニングがダイヤル式、ヒーターを強にすると嫌な高音が鳴る、ライトが次々と切れる、屋根を押すとベコベコ鳴る、パンクする、バック中縁石にこする、こすったところを目立たなくさせようと塗ったリペアペンが余計に目立つ、などなど、不便なところはたくさんあったが、それでも不便だなコノヤロウと思いつつ乗り回すのが大好きだったのだ。

所詮は10年以上も前に基本設計をされた車である。
現代の最新の設計をされた車の方が、どう考えても快適で速いだろう。分かりきったことだ。

だが、フランソワの持つ豊かなクッションや、リニアなハンドリング、ピニンファリーナデザインの美しいスタイリング、素直な挙動。そういった魅力を持った車は、今はあまりお目にかかれないのではないか。不便ながらも、306という車は、車本来の機能美とも言うべき物を必要十分に満たした、優秀な車だと考えている。それがフランソワの魅力なのだ。


そんなことを考えながらロゴを運転していると、何だか切なくなってきてしまった。5年間、どこへ行くにも一緒だったため、随分と情が移ってしまったようだ。このまま新車に乗り換えたら、フランソワはどうなるのかしら?貰い手は居るのかしら?廃車にされてしまうのかしら?とか考えると、涙が出そうである。冗談抜きで本当に出そうである。

とりあえず、金曜日の殴り込みで、ある程度の方向性を定めたいと思う。



家に帰って、おかあさんにフランソワのことと、買い替えについて話してみる。


母「うーん、それだけかかるんじゃ仕方ないかもね、よく走ったし。次は何にするの?」

私「えーと、スイフト!・・・・・・・・・・・・か、C4

「スイフトね」


釘を刺されてしまった。




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