ストレイツ・オブ・ドーバー - 2003年08月29日(金) 懐かしい響きだった。 イギリスとフランスをまたぐドーバー海峡。 昔、競泳選手として一日中泳いでた頃以来の懐かし さだ。 サイクリング選手であるインド系マレーシア人が、 東南アジアではじめて、遊泳によるドーバー海峡横 断に成功したという。 彼が空港に着くなり、記者会見が開かれた。 そのときの写真がなかなかいい。 両隣に首相と副首相が立ち、彼の手を掴み、高々と 彼の両手をあげている。いわゆる"バンザイ"の瞬間 をとらえた写真。 成し遂げた本人よりも首相の満面の笑みが印象的だ。 今年の10月に引退予定の首相マハティールは、就 任以来、経済政策中心で、スポーツ・芸術に力を注 がなかった。 今ではサッカー・ワールドカップの予選も勝ち抜け ない弱小ナショナルチームだが、昔は日本に勝てた らしい。 スポーツで、しかも「東南アジアではじめて成し遂 げた」というところに、何か感慨深いものがあるの かもしれない。 その会見場で、首相は「彼を見習うように。」とマ レーシア国民に呼びかけた。 一方で、彼には、"ダトー"の称号(英語でいうなら "ナイト"のようなもの)が与えられるという。 マレーシア国民にとって最高の栄誉といえる。 そしてもし、日本人であるこの僕がドーバー海峡 を泳ぎきったとしても、日本の首相はまず間違い なく、「彼を見習うように。」とさえ言ってはくれな いだろう。 ...
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