ミドルエイジのビジネスマン
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小学生の息子たちの運動会があり、キャンプ用のチェアをグラウンドの木陰に並べて最愛の(さりげないこの形容詞を忘れるとジゴクを見る)妻と仲良く見てきた。 少子化が進んでいるので観覧場所の取り合いなど心配する必要もない。「気持ちいいねえ」と背もたれに寄りかかって伸びをすれば、高い空にすじ雲がなびき、行き先を定めたジェット旅客機が時折ゆっくりと通り過ぎていく。
目の前を歩いていくお母さんたちに椅子に座ったままご挨拶の黙礼をすると、子供たちが生まれた頃公園で挨拶した日々そのままの若々しい姿に驚かされる。引っ越してきたばかりの頃、妻が近所の奥さんたちと撮ったという写真を見てびっくりしたものだ。美人ばっかりで、皆さんセンスも良く、ヘエ〜、こりゃ金妻の世界だと。
息子たちの走る姿や鼓笛隊の行進を見るのは面映ゆいものだ。あの時分のことは昨日のように覚えていて、息子が走っている姿にどうしても自分を重ねてしまう。レースの順番を待つ間、ドキドキした記憶や入賞の旗の下に並んだ晴れがましい気持ち、賞品にもらったノートや鉛筆の質感。バカモン、父ちゃんが走れば必ず1等か2等の入賞リボンを胸に飾ったもんだ(さて、本当にそうだったかどうか確信が今ひとつなのだが)、4等なんかになるんじゃない。
思い起こせば小学生の頃でも、既に自分の世界があった。息子たちも、もう、親の存在はほんの一部になってしまった自分自身の精神世界に生き始めているのだろうか。手がかからなくなったと喜んでいる間に、口答えする姿も可愛いかったペットから、自分に似ているが自分ではない不思議な生き物に生まれ変わろうとしている子供たち。そう言えば、親子の障害物競争では、引いた籤(くじ)の結果、三輪車に乗せて走るというハンデから入賞はできなかったが、せっかく協力したので、お互い良くやったよなと長男と肩を組もうとしたら手を振り払いやがった。バカヤロウ、誰に育ててもらったと思っているんだ。ショック!
今年の運動会最大のニュースは長男がリレーの選手になったこと。
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