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お施主さんの家の前の、心臓破りの坂を下った突き当たりは、歴史のありそうな八百屋さんです。きっと、村で一軒のタバコ屋さんかつ砂糖屋さんかつ塩屋さんだったりしたのでしょう。 皆が車で移動する時代になり、道路ぎりぎりに立っているその八百屋さんは、商品を店先に広げる余地もなく、時代の流れに取り残されているのでしょう。 きっとご近所の車を持っていないご老人によって支えられているのでしょう(涙) ……と。思っていたのですが。 お施主「このへんも、どんどん寂れてきてねえ。昔は観光客が一杯きたもんだが」 雨宮「でも、あの八百屋さんは近くていいじゃないですか。助かりますよねえ」 お施主「そうでもないだよ。むこーーーのほうに、新しいスーパーとか出来て、みんなそっちへ行っちまうだ」 雨宮「でもお年寄りとか、車を持ってない人はあそこへ行くんじゃないですか?」 お施主「あの両隣の家の衆も、店の前通るのがいやだって、むこっかわの坂登って、遠回りして新しいとこへ行くだよ」 すいません。新しいスーパーって、それは雨宮の足で、徒歩20分くらいの所にある、あれですか? えー。少なくとも私、そこまで坂を上り下りして買い物に行くのは嫌なんですが……。
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