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内緒の話。 本当は面と向かって励ましてあげたい。 でも全然的外れかもしれないし。そもそも部外者な私が口を出せば、ウザイだけかもしれない。 だから、昔話をしたいのだ。 これはたった一人へ、贈る言葉だ。 もし読んで不愉快になる人がいたらごめんなさい。 私はね、めちゃくちゃ変な子供だった。 他人の話を最後まで聞けないで、すぐ自分の世界にはいっちゃうような子供。 誰かと遊んでる途中でも、自分の興味があることを見つけると、そっちへ行っちゃう子供。 毎日必ず忘れ物をする子供。整理整頓が全然出来ない子供。 温度計を暖めるとどこまで赤い線が伸びるのか確かめたくて、ストーブの上にのっけて、破裂させた子供。 「どうしてこんな事するの」と怒られても、答えられなかった。それを説明する言葉を、私はそのころ持ってなかった。 同級生に何か話し掛けられても、何を聞かれてるのか、何を答えたらいいのかわかんなくて、怖かった。結局中学生の三年間、家族以外とは全然話をしなかった。 って、こんな感じでなんとなく解ると思う。 あのね。 私の親は、本当に厳しかった。怒られても全然何を怒られてるのか当時の私にはわかんなかったんだけど、何度も殴られたりもした。 だけど、本気で大事に大事に愛してくれた。 チック症を自分ではとめられなくて、学校で気持ち悪いとか言われてても、母親はぎゅっとしてくれた。全身で愛してくれた。 それがね、どれだけ自分の支えになってたか。 なくして、ようやく気づいたような馬鹿だけど。 事態の深刻さとか、全然私の話なんて比べ物にならないし、それこそ例に出すのもおこがましいような話なんだけどさ。 ぎゅっと抱きしめてあげられる腕があるって事は、最高の武器なんだよ。 物理的にだけじゃなくて、精神的にも。 ずっとずっと、帰る場所を作ってあげられる、抱きしめてあげられるって事こそがさ。 だからあなたには、元気で、ずっと健康でいて欲しいな、と。 そう私は思ったの。 父の日に向けて、全てのお父さんとお母さんが、長生きをしてくれますように。 そんな祈りの言葉で、締めくくっておこう。
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