デイドリーム ビリーバー
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学生時代の先輩の、結婚式のついでに 遠方に住む友人と、久しぶりに会う予定を、いくつかたてたりしたら 中途半端な空き日と移動距離ができたので どうせだったら長い一人旅にしちゃえ、と、 しばらく家をあけている。
もう少しで行楽シーズン。きっと休みなんてもらえなくなるし 今のうちにのんびりさせてもらう予定。
久しぶりの、大好きな一人旅、日本縦断。 うまいぐあいに台風も避け、とってもいい感じ。
…なんだけど。 ちょっとすっきりしないものを抱えている。
この旅に出発した日、友達のN君と会っていた。
N君に、渡すビデオがあって、 それはN君にとっては 出来るだけ早く欲しいものだろうから この旅行に出てしまう前に、と、出発日の午前中に。
ビデオを渡したら 出発時間まで一人で時間つぶそうと思っていたんだけど、 N君も、その日は休みだということで 結局、夜出発の電車の時間まで、つきあってもらった。
男女の友情って、一時的には成立するけど その後、恋愛感情に移行したり、 彼女に邪魔されて、だめになったりする。
N君の彼女は、「そういうこと言わないと思う」 とN君が言うので、 少し安心して、話に夢中になった。
正直に書くと、自分にストップをかけていたのかもしれない。 「彼女を大事にしなよ」って感じで。
ほんとに正直に書くけど 私は実は、初めてN君に会った頃 N君のことがとても気になる存在だった。 男の人として。
でもすぐに、 長くつきあっている彼女がいることを知って 面倒くさいのはきらいだし じゃあ、男女の友情ってやつを 育ててみようかな、なんて思って。 なにも恋人っていうワクに閉じ込めなくても、十分おつりがくるぐらい N君とは気が合うし。友達っていうだけで、十分楽しいし。
それは今のところ成功している。友情も、育ちつつあると思う。 月一回の飲み会と たまの1時間くらいの長電話と、携帯メールで。 会ってもしゃべっても、知り合ってからこの一年 N君を男の人として、意識したことなんてない。
でも、二人だけで会うのは、今回が初めてで。
こんなに楽しい時間になるとは思ってなかった。
とにかくしゃべった。 いつものようにたわいもないことから 今回のビデオが阪神大震災に関係していたこともあって 普段しないようなまじめな話まで。 途中、昼ごはん食べて夜ごはん食べて 合計8時間しゃべって笑って、 最後にはお互い声が枯れていた。
「男女の友情」候補ナンバーワンさすが! って言いたいところだけど
別れるとき、離れがたくて 抱きつきたい、と思ってしまった。 さわりたかった。
…うかつ。
男女の友情計画は?
でも 「彼女と別れて私と付き合って!」 というのも、私の気分とは、なんか違うし 「男女の友情」育てたいというのも本当。
しばらくはいいか。 こんな感じで。
N君は少なからず私のこと好きだろうし(友達としてでも) 一緒にいてほんっとに楽しかったし これからどうなるかはわからないけど、 「N君が好きー!せつなーい」みたいな ヘンな暗示はかけずに、素直に自然にやっていこう。
N君が私のことを、女としてすっごく好きになったら 彼女とだって別れるだろうし
ていうか、別れるだの何だの 色々ごちゃごちゃ悩むんじゃなくて 私は、恋愛なら、もうこれ一本!!!っていう 至上の最高の唯一の本物の、恋愛がしたい。 N君との関係は、きっとそこまでいってないんだと思う。
あわーい、なんだろう?ぐらいの思い。
今すぐつかまないと、溶けてなくなってしまうような 安っぽい恋ならいらない。
抱きつくのはナシだけど 「俺のこと好きなの?」 なんて聞かれたなら 今の気持ちなら、きっと堂々といえる。
小説や映画や、どこかで聞いた話じゃなくて 私のオリジナルのやり方で しなやかに、つむいでいこう。
今度はちゃんと見届けるんだ。 自分の心を。
それが、どんなラストを迎えるのだとしても。
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