デイドリーム ビリーバー
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2003年09月19日(金) この夏の花火

夏になってからというもの、彼の車では
毎回と言っていいぐらい、ドリ○ムの曲が流れていました。

正直に言うと、私はドリ○ムが苦手です。

ドリ○ムファンの人(ていうか葵さん)気を悪くしないで下さいね(笑)。

なぜ苦手かって言うと、以前にも書いたような気もしますが
彼らの曲のほとんどが、リアルな恋歌だからでしょう。


何度も何度も書いたけど、私は、彼とつきあうまで
男の人のことを、本気で好きになったことがなかったし、
恋愛に、憧れとか執着とか、そういうのがあまりなかった。

いつか素敵な人に出会えたらいいなあ、ぐらいは思っていたけど、
生活とか人生における、恋愛のパーセンテージは
かなり低い方だったと思います。
究極の選択、愛と夢どちらを選びますか?なんて質問には
子供の頃から迷うことなく、夢と答えていたし。
だから、ドリ○ムみたいなタイプの歌には、共感できる素地がなかった。

先月だったか先々月だったか、A○RAという雑誌で
サザン25周年の記事があって。どういう書き方だったかは忘れたけど、
確か
ラブソングを
1.恋に憧れているとき
2.恋のまっただなか
3.恋が終わるとき
4.恋を休んでいるとき
と4つの時期に分類するとすると、サザンには、どの時期にも当てはまる曲がある。
だからサザンは、多くの世代、多くの人に愛される。
例えば、中島みゆきは3の時期を歌うと最強だし
山下達郎は、1や4の時期には聞けない、みたいなことが書かれてあって。

これで言ったら私、きっと
2と3に共感できない生き方をしてきたんだと思う。


だいたい私は、彼とつきあうようになる27歳まで

告白しようとテンションあげて、決戦だとか思ったり
呼び出されて、ダッシュで身支度整えて、自転車こいでおでこ全開とか
すごく好きなこと伝えたいだけなのに涙でたことなんて、一回もなかった。

好きだけじゃだめなんだ、とか
忘れないで思い出になどなりたくない、とか
私の全部であなたが好きだった、とか、思ったこともなかった。
そのことを、悔いたり恥じたりしてるわけじゃないけど。


何をくどくど言ってるかって、つまり私は
彼の車で聞くドリ○ムに、あまりいい気がしていなかったのです。

いつから好きなの?ってきいたら、デビューした時からって言った。
前の彼女の影響で好きになったわけじゃないってことで、少しほっとして
でも

“深い愛で、ただ一途で、あなただけがすべてだった”なんて
無言で聞き入っている横顔を見ると
思い出してるんじゃないかって、心臓がきゅうきゅう痛くなる。

“1900年代最後の夏は行って”なんて
1900年代最後の夏は彼女と過ごしてたんだって、考えてしまう。

“今ごろあなたもどこかで 思い出してるの? あの夏の花火を”なんて
そんな歌の途中で、突然

「来週、花火見に行こうか」
って、彼が言った。

「宙ちゃんと、いっぱい思い出つくらななー」
とまで言うから
わかりやすい性格をしている彼の、思考の過程が見えるよう。

宙ちゃんと“も”、って思ったんじゃないの?むかつく。


それでも、彼との初めての花火には、やっぱりワクワクしてしまうので
「浴衣、着ていこうかな」って言ったら、即、却下されました。
ジーンズにスニーカーなんだって。
帽子、サングラス、日焼け止め、タオルも忘れるなって。
だけど、日傘はだめだって。
それって花火に行く格好?


何度も聞き出そうとしたけど
結局どこへ行くのか教えてくれないまま、当日の朝を迎えました。

「帰りは深夜になるから、寝とっていいで」
って、朝っぱらから高速のられて
どこ行くかわからないのに、寝られません。

彼は、相変わらずドリ○ムかけて、上機嫌。
休憩を挟んで、走って走って、ミステリーツアー、たどり着いたのは
なんと、ドリ○ムの野外ライブでした。



四年に一度行われるこのライブは、ファンにとっては特別なものらしく、
ライブが始まるのは夕方からなのに
野外の会場は、朝から人がいっぱいでした。
屋台もたくさん出ていて、生ラジオ放送もあり、まるでお祭り。

ライブの選曲も有名な曲ばかりで
この夏、飽きるほど聞かされていた私は、全部の曲を知っていました。
ていうか、全部歌えました。
なるほど、こういう魂胆だったわけね。

さすが、用意周到な彼は、
何ていうんだろ、ライブとかでよく振ってる、光る棒みたいなやつ。
あれまで用意していて
私は、こういうの振るのって初めてで、かなり恥ずかしかったんだけど
開き直ってブンブン振ってたら、どんどん楽しくなってきて
フリも見よう見まねで、飛び跳ねてた。


ライブも佳境、「未来予想図」が歌われた。

“こうして ずっと
 あなたとよりそってゆきたい”

なんて、しっとりと歌われて
その世界に浸ってたら
すぐに、聞きなれた前奏に移り変わって
「最高の曲順やな」
彼が、私の耳元、少し興奮気味にささやいた。


“卒業してから
 もう 3度目の春”


「未来予想図�供廚�
「未来予想図」で歌われた二人の、その後。


“きっと 何年たっても
 こうして 変わらぬ気持ちで
 すごしてゆけるのね あなたとだから”



わかってないなあ、って思う。

そりゃあ、私もこの曲順、この展開には、なんていうか、じーんときた。

3年たって、バイクが車になったり、それぞれ少しずつ変化して
それでも変わらない二人の幸せ。
結婚して幸せになっていく二人の恋愛って、きっとこんな。

何の事件もなくても、こんなに素敵な2曲になる。

あー。
なんてイヤミな曲なんだ。



私にとって、この曲は、彼と、前の彼女のことのように思える。

彼と彼女も、学生時代から何年もつきあったから
卒業して3度目の春だって、一緒に過ごしたはずなんだ。



ふと見ると、近くにいた女の子達が、泣いてた。

ああ、幸せな子達なんだな、って思った。
私は泣けないな。
こんな思いをしたことなんて、ないし。

ドリ○ムを好きな人達って
もしかして幸せな人たちなのかもなって、思った。
彼も含めて。

両想いにしろ片思いにしろ、ちゃんとした恋をしたことのある人が
胸が一杯になったことがある人が、好きになる音楽なんだと思った。

このライブには、ファミリー用のゾーンが用意されてあって。
そこは、小さい子供を連れた人たちが、ライブを見る為の場所だった。
この曲がヒットした頃に付き合ってた人と、未来予想図を叶えて
家族で来た人も、いるかもしれない。



“ずっと 心に描く
 未来予想図は ほら
 思ったとおりに 叶えられてく”

ボーカルの女の人が、歌い終わって
その声量のままで
歌のつづきみたいに言った。

「みんなの未来予想図が叶いますように」
みたいなことを。

私その時に、はじめて気付いた。

私にも夢があるって。
彼と叶えたい未来があるんだって。

彼と旅行したいとか
一緒に暮らしたいとか、一緒に御飯食べたいとか
おはようのキスとか、おやすみのキスとか
彼の子供を生みたいとか
おじいちゃんおばあちゃんになってからもデートしたいとか

なんかもう、ここに書くのも気恥ずかしくなるぐらい
ベタな夢なんだけど

2年前までの私じゃ、考えもつかなかったような夢だけど

誰のことも好きになれなかった私には
これを叶えるのって、実は結構難しいことなんじゃないかって
思えるから

私、少し、みんなより遅れてるかもしれないけど
彼が初恋みたいなもんだけど

この気持ちを、そして彼を
大事にしようと思った。
大事にして、大事にして、そして未来につなげていこう。



また少し、涙が出そうになった。

彼の前では何度か泣いたとはいえ
相変わらず、ほかの人の前では絶対に泣かない私だし
しかもこの曲で泣くなんて、すごく不本意だったから

下まぶたとか鼻のあたりに力入れて、目だけ、こう、上をみるように
きょろきょろさせて
何とか涙が落ちないように

頑張ってたら、次の曲は、ノリノリの
確か、
うれしい楽しい大好きかなんか、そんな曲で

また元気に、ピョンピョン飛び跳ねてたら、涙なんかすぐ乾いて
彼は相変わらずうれしそうに前を見ていて
私の涙には気付いてないみたい。

気付かれなくてよかった。

ほんとは、
ちょっとぐらい気付かれてもよかったんだけど。



最後の曲、「あの夏の花火」で、とうとう花火があがった。
どんどんあがって、こんなにあげちゃって、予算大丈夫なの?って
ちょっと思ってたら

綺麗な花火が、どんどん重なりだして。
近いこともあって、すごい迫力。
ライブ見にきた人だけの、貸切花火大会みたいで。

全てを忘れて、みとれてしまった。



いつか、思い出すかな。この夏の花火。
彼が彼女と見てきた、たくさんの花火より、ほんの少しは鮮やかに。



いつか、幸せな気持ちで、この夏の花火を思い出したい。
二人で。






 ***私信***
   芽衣さん。いつもほんとにありがとう!(遅すぎ)
   毎度更新の遅い私だけど、本当に励みになります。
   それより、芽衣さんの前回の詳細が気になってます…(笑)


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