戯言。
2002年07月26日(金)  とあるホビットの憂鬱。

やっぱ王子ときたら次は姫さんでしょう。
っつ〜わけでフロド君にも憂鬱になって頂きます。
つか彼の場合もともと鬱じゃん?とか思いますが。
だって持ってるモノがモノだし、旅の目的だってアレだし
ねぇ。そりゃ鬱になるデショ、みたいな。
でもそんなネタで鬱にしたらどっかから矢が飛んできそう
なのでね(笑)
だから勿論あの方に絡んで鬱になって頂きます。
ごめんね、フロド君。
(でも無理矢理考えてるから自滅するっぽい・汗)


*********************


それは、とある昼下がり。
何日かに渡ってかなりの強行軍を強いてきた一行は、この
日はその疲れを癒すのも兼ねて早々に野営の準備にとりか
かっていた。

皆がせわしなく働く傍らで、静かに佇むホビットが1人。
普段なら彼にベタ惚れのエルフが何かしらちょっかいをか
けているものなのだが、今日はアラゴルンの指示により、
離れたところで周囲を窺いつつ薪を拾い集めたりしていた。
(※ということにしてやってくださいまし。
  王子に薪拾いさせるなんて!等あるでしょうが)
なのでそれにまず気付いたのは、彼の友人であり忠実な従
者でもあるホビットだった。

「.....フロド様、どうかしましたか?」

そう問い掛けてみると、帰ってきた答えは予想通りのもの。

「ううん、なんでもないんだ」

力なく笑ってかぶりを振る。
その予想通りの反応を見てサムは黙って自分の持ち場に戻
った。ああいった笑いをする時は、フロドは絶対に口を割
らないから。

「でもさっきからずぅ〜っと黙りこくってるし。
 何か変だよ?」
「うんうん。眉間にこぉ〜んなに皺寄ってるし!
 ねぇボロミア、あなたもそう思うでしょ?」
「....まあ確かに今日は静かだな、いつもより」

とまあ、このように食い下がる輩もいるわけで。
メリーとピピンに問い詰められ、フロドはしぶしぶ思い口
を開いた。

「だって、今日は1回も話していないし....」

「誰と?」

「...............レゴラスと」

((((やっぱり......))))

そう、確かに今日フロドとレゴラスは共にいられたためし
が無い。
何故なら、あまりにもレゴラスがフロドを独占するものだ
から、アラゴルンがそれに業を煮やして引き離すべく暗躍
していたから。

((((つか余計状況が悪化してないか?))))

そう、その通り。
寧ろ逆効果だったようである。
フロドはこのようにふさいでいるし、相手のエルフは不機
嫌なオーラを隠そうともせずに行動していた。
(ちょっとでも機嫌を損ねるようなことをすれば、すぐさ
ま矢が飛んで来そうなくらいには不機嫌だった)

((((さすがにもう限界じゃないか?))))

そう思い、彼らがアラゴルンに意見しようとしたその時。


「あの、アラゴルン」

「......どうした、フロド?」

ん?と剣の手入れをする手を休めてアラゴルンが応じる。

「レゴラスは何処に行ったんですか?」

「さて、分からないな。周囲の様子を窺っているのだと思
 うが」

この男、あくまで知らぬ存ぜぬを貫き通すつもりらしい。

「そうですか。じゃ、僕探しに行ってきます」

「いや、1人では危険だ。レゴラスが帰って来るまでここ
 で待っていた方が....」

言い終わるのを待たずにフロドが言い放つ。

「そんなこと言って、彼が帰ってきたら邪魔するんでしょ!
 あなたのお陰で今日、レゴラスと1回も話してないんで
 すよ!」

「いや、それは....」

「それはもなにもないですッ!
 もう、アラゴルンなんか大っ嫌いッ!!」

蒼い瞳に涙を溜めて、尚フロドが言い募る。
そして魂の抜けた(笑)アラゴルンを尻目にフロドが駆け出
そうとした時、ふわりと彼を抱きしめる腕があった。

「おやまあ、君に『嫌い』と言われて固まってる人がいるよ」

「レゴラス....!」

「君を泣かせた罪は重いよね。まあ私にも責任があるのだ
 ろうけれど」

そう言ってフロドを抱き上げ、皆から離れた場所まで歩い
て行く。

「だからね、フロド。この後はずっと一緒にいようね」

「..........はい、レゴラス!」

そう言って、フロドはそれはもう可愛らしく微笑んだとさ。


(fin.)

つかホント終わっとけ。
自滅以前の問題だって自分......


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