戯言。
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2004年07月03日(土) 救済してみようとしたのだが。
ちょっと前に晒した跡部様片恋小話。
やっぱ彼が救われないのはヤなので、救済してみようと考えた。
そう、考えたのだ..................が。
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跡部が遠い。
気付いたのは、レギュラーに復帰してから数日後のことだった。
無視をされている訳ではない。
必要があれば声をかけ話もする。
今までと何ら変わらない筈なのに、何かが違う。
そう思った瞬間、身体の何処かがチクリと痛んだような気がした。
だがテニスに支障は無いし、自分のパートナーは鳳であって跡部ではない。
鳳とはここしばらく行動を共にしただけあって、いい信頼関係を築いている。
跡部とも別に仲違いした訳ではないのだから、そう気にする必要は無い。
今度は後悔しない為に、今はこのダブルスに全力を尽くすだけ。
半ば自分にそう言い聞かせつつ、時は過ぎていった。
その少し後。
跡部がジローを叱っているのを見て、唐突に理解した。
まだ寝ぼけ眼のジローに向かって説教するその表情。
厳しい顔つきながら、その眼差しは優しい。
やっと気付いた。
話をしている時のあの違和感。
何よりも彼の感情を雄弁に伝える筈の瞳が、ガラス玉の様に透き通り何も映さない。
あの青い瞳に自分は映っていないのだ、と。
彼の中に自分の居場所はもう無いのだ、と。
それに気付いた自分が真っ先に感じたもの。
それは、純粋な恐怖だった。
彼の瞳にまだ自分が映っていた頃。
些細なことでもちゃんと耳を傾けてくれた。
どんなにくだらないことにも律儀に答えを返してくれた。
そして決まって「バーカ」と言い、少しだけ目をすがめて微笑うのだ。
言葉とは裏腹に、優しい優しい瞳で。
あの微笑みを最後に見たのはいつだろう。
そうだ、レギュラー復帰に助力してくれたあの時。
その場で憤るだけの自分に、いつも通りの物言いで背を押してくれた。
監督の前で座り込む自分をその背で庇うように立ち、自らも頭を下げて。
その背中に縋り付いてしまいそうになる自らを叱咤し、ただ見つめることしかできなかった。
余計なことを、そう言って見上げた自分に二度目はもう無い、そう告げて振り返る。
あの時跡部は微笑っていた....筈、だった。
でも思い返すほどにその顔は悲しみに彩られていく。
緩い弧を描く口許と、それと反比例して曇っていく瞳の色。
踵を返し去るその背中はいつもより大きくて、それでいて儚げだった。
後を追わなければ、そう思って立ち上がりかけたが、この数週間ずっと付き合ってくれた後輩が自分のことの様に喜び涙ぐんでいるのを見て足が止まった。
そして気付いた時にはもう、跡部の背中は見えなくなっていた。
そうだ、あの時何かが壊れてしまったのだ。
でも、何が。
分からない。
唯ひとつ分かるのは、遠く遠くなってしまった跡部と自分の間の距離。
「分からねえ....何なんだよ」
彼のことを考える度に、ズキリと痛む。
でも、何処が。
分からない。
「どうすりゃいいんだよ........跡部」
彼の瞳の様に青い空を見上げ、問いかける。
すると晴れ渡っている筈の空から、雨が落ちてきた。
静かに降る雨は、まるで彼が涙を流しているようで。
自然と、涙が零れた。
痛い。
でも、何処が。
何故。
分からない。
涙を流し続ける空を見上げ、立ち尽くす。
そんな宍戸を見つめる、痛いほど真摯な視線にも気付かずに。
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全ッ然救われませんでした。
というか更に悪化してない?
宍戸さんも不幸になってしまった....ドサイテー。
これどうやったらハッピーエンドに辿り着けるのか、誰か教えてくれ。
っていうか地上波の予選見ながらこんなん考えてんなよな〜