ディリー?闇鍋アラカルト
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2003年12月13日(土) 皮膚科学・・・1

僕の所には医学部で使われる皮膚科の教科書がある。
「皮膚科学第7版(金芳堂)」
序文によると第1版は30年も前に刊行されているようだ。

その中に石鹸に付いての記述があったので引用すると、
「石鹸:油脂とアルカリを煮沸し、脂肪酸とアルカリ(Na,K)とを結合させたもの。界面活性剤(ラウリル硫酸Na)を主体とするものもある。」
という記述なのだけれど、石鹸を学んだ人なら目を疑うかも知れないと思ってしまった。ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)は合成界面活性剤・合成洗剤である。
肌に有害なので、配合の上限が定められている旧指定成分でもあり、手持ちの化粧品成分事典では勿論有害表示である。
石鹸とは異質な物なのだけれど、この合成洗剤も石鹸であるかのような記述だ。
そうした合成洗剤が石鹸の名称で売られているのは確かな事だけれど(形が石鹸同様で洗浄力のあるものに○○石鹸の名称を付けて売られる事がある・・・逆性石鹸・弱酸性石鹸など・・・・)実際に使ってみると、肌に優しくない物が殆どだ。シャンプーにも多く使われている。
ヤシの実台所洗剤などは合成洗剤AS(アルキル硫酸エステルNa)やAES(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)である事が多いので、実際に石鹸と比較したなら違いは感じられると思う。(AS(タンパク変性作用が弱いのでLASなどが使えないシャンプーや歯磨き粉などに用いられる事が多い。
また台所用洗剤にも使用される。
ASの入っている歯磨き粉で歯をみがくと一時的に食物の味がおかしく感じられることがあるのはASのタンパク変性作用により舌の味覚をつかさどる味蕾細胞の脂質が溶けだしてしまうためです。
比較的タンパク変性が弱いものでもこのような状況が生じます。)

石鹸を販売するようになってから、手湿疹・主婦湿疹の人たちと話す機会が多くなって、尋ねてみると大抵合成洗剤の害のように感じられた。僕の作った石鹸を使うと改善される場合が殆どなのだ。しかし、皮膚科医は合成洗剤の使用については何も触れず、ステロイドを渡したり、保湿剤の使用を勧めたりするようだ。
しかし、原因となっているものを使わない事こそがもっと大切な事であるはずだ。
原因を除去する事無く保湿を図ったり、炎症を止めてしまうステロイドを使ったとしても、保湿剤やステロイドの効き目が切れれば再発するに決まっている。
そうすれば何度もお客さん(患者)に来て貰えるという事にもなる。
きょう石鹸を買ってくれたお客さんの中にうなじ皮膚炎の人が二人居た。
うなじ皮膚炎とは、洗髪した時に頭の後ろがいつまでも洗浄成分が残る為に起こる事が殆どである。つまり、合成シャンプーによる皮膚炎なのだ。
もう10年も煩っていると言っていた。
皮膚科医はそんな基本的な事も教えていないのか!!!!!


いなっち |MAILHomePage

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