みかんの日記
みかん



 そして見たもの

中学2年くらいの時にこっくりさんが流行った。

学校ではしてはいけません、と言われていたが
放課後、面白半分で始めた友達が居た。

たまたま教室に居た私。
他にも数人居たと思う。

色々質問をして盛り上がっていた彼女達の様子が
やがて変わってくる。

何か変だな、と私もそばに寄って話を聞いた。

お帰り下さいと言っても戻らない。
何度お願いしても戻らない。
手を離すと祟りがあるからと離さず
ひたすらお帰り下さいとお願いする彼女達。

なぜ戻らないのですか?と聞けば
「チ・ガ・ホ・シ・イ」(血がほしい)とコインが文字の上を動く。

泣き出す子も居た。

「そばに○○病院があります。そこなら血があります。
そちらに行って下さい」と気の強い子が言えば

ひたすら「血がほしい」と文字が動く。


とうとう職員室に先生を呼びに行った友達が居た。
とても穏やかなメガネをかけた男の先生がいらした。

先生は事の次第を聞いて
静かに友達に「やめなさい。手を離しなさい」と言う。

言われた友達は
「だって離すと祟りが起こるんです。」と泣いて訴える。



「離すんだ!」

その先生からは聞いたこともない大声で
皆びっくりして手をひっこめた。



皆早々に下校した。
その教室は後日聖水で清められたと言われていた。


2010年09月07日(火)
初日 最新 目次 MAIL


My追加