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2002年08月07日(水) |
いつもうれしい人の勝ち/ANDREW W.K."I GET WET" |
好きな広告があって。
その一つが、キリンビバレッジ「日本茶玄米」。
現存する世界唯一の象形文字のトンパ文字を使い、 農耕民族の自然と対峙する力強さを表現したデザイン。 1930年代、貧しいながらキラキラしてた日本の学校の姿を描いた、 男臭くて気合が入った坂口憲二のCM。 この広告には、日本を元気づけるための仕掛けがいろいろとある。
そんな中で、コピーもかなり素晴らしい。 「よみがえれ、日本の香ばしさ」「フレー、フレー、日本」 「人間、いつもうれしい人の勝ち」
ダサいね。本当にダサい。 知的なライターさんなら思いつかないんじゃないかな。
けれども、なんかグッと来る。 今、この瞬間、この時代に、この言葉だからかな。 強引なほどの前向きさ。四の五の言わせぬ希望への確信。願い。 正面突破の潔さ。だからこその切なさ。
――ANDREW W.K.、素晴らしいです。
簡単に言っちゃうと、weezerが極端になったような感じ。 weezerもポップソングとHR/HMをミキサーにかけた音楽だけど、 ANDREW W.K.はそれを全身全霊を込めて両端に針を振り切ってる。
メロディーはかわいらしいほどの優れたポップさ。 ギターはHR/HMの美味しいところを網羅する。 ピアノがそこに絶妙のアクセントとして被さって。 それでいて、ドラムは一定のキックを多用しダンス的。
つまり、めちゃくちゃにメロディアスなポップ・ソングを、 信じられないほどのテンションでラウドな曲にして絶叫する音楽だ。 そして、ヘッドバンキングじゃなく、踊らせる。
新しいダンスミュージックなんだろうね。 パーティー。歓喜の場所としてのパーティー。 このアーティストは本当に頭が良いんだろうな。 だってアホだもん。反則だよ、こんな音楽。 HR/HM好きが聞いたら馬鹿にしてるとしか聞こえないもんな。
「日本茶玄米」に繋がる前向きさを感じる。 現代の閉塞感を、強引に正面突破する励まし。 でも、ここまでしないといけない状況を思わせる切なさ。 極端とも思える方法論が、本当に素晴らしいメッセージになっている。
とりあえず、なんでもかんでも前向きに。全力で。 そして、「人間、いつもうれしい人の勝ち」。 トンパ文字の「うれしい」を ポーズしてみせる坂口憲二とアンドリューの姿がダブる。
マリンスタジアムを、ポジティブ・パワー全開の パーティーに巻きこむ日ももうすぐだ。
BGM: ANDREW W.K./READY TO DIE"I GET WET"
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