合宿の終わりに。そうるに頼まれた。 あたしの実家に泊めてほしいって。
合宿地からそうるの家までは。電車で2時間ぐらい。 あたしの実家からやと。30分もあれば着く。 事実上は今年のチームのコーチであるそうるは。 初日だけじゃなくて2日目も参加するつもりやったみたいで。 普通に自分の家に帰ってからまた来る気やったらしい。 でも実際初日を終えたら。思った以上にクタクタで。 家まで帰ってまた次の日に来るのが。めんどうになったらしい(苦笑)。
「急で悪いんやけど。あかんかな。」 「ええよ。あたしは全然。」 「ほんまに?迷惑じゃない?」 「うん。ままちゃんそーゆうの受け入れいいし。」 「そーなん。じゃあ甘えさせてもらってもいい?」 「ええよ。おいで。」
平気そうに答えたけど。ほんまはドキドキしてた。 ままちゃんにそうるの話をしたことは多々あるし。 あたしがそうるを好きってことは分かってると思うけど。 それが恋愛感情であるとはまさか思ってないやろうし。 あたしもそーゆうことは内緒にしてるから。緊張した。
普通の友達ってことにすればええんやけど。 隠してるのがちょっと悪いことのような気がした。 会わせてええんかなってちょっと思った。 でも久しぶりに一緒にいられるのが嬉しくて。 まぁなんとかなるやろうって感じで。OKした。
実家までの道。そこにそうるがおるのが嬉しかった。 あたしが大学までを過ごしてきた生活空間に。そうるがおるのが嬉しかった。 駅前の小さな定食屋さんで。うどん定食を食べて。 「なんかうちら最近うどんばっかり食べてるよな。」って笑った。
「予想はしてたけど田舎やなー。」 「やろー。しょぼいやろー。でもええとこやもん。」 「ええとこやろうけど。○○(そうるの最寄駅)とはえらい違いやわ。」 「分かっとるっちゅーに。もーそんなん言うなら追い返すで(苦笑)。」
憎まれ口は健在。そんなそうるが愛しかった。
しょーもない話をしながら家まで帰って。 いよいよままちゃんとのご対面になった。 2人の間に立って。あたしがお互いを紹介すると。 「いつもお世話になってます。○○○(あたし)の姉です☆」って。 ままちゃんが言って。一瞬の沈黙の後でそうるが爆笑した。
「いや、ほんまかなって思いました(苦笑)。」 「あら、嬉しいわー。よく間違えられるんやけどね(苦笑)。」 一瞬で仲良しになった2人を見て。あたしはめっちゃ嬉しかった。
あたしがお風呂に入ってる間も。2人はしゃべってたみたいで。 風呂場まで笑い声が聞こえてきたりもした。 「なんの話してたん?」って後からそうるに聞いたら。 「お母さんが好きな芸能人の話☆」って思い出し笑いしてた。
「テンション高いなー。あんたのお母さん。」 「やろー。若いやろ。ほんま友達みたいな感覚でしゃべれるねん。」 「そんな感じしたわ。明るいしおもろいし。ええな。」 「てゆーかあんたのお母さんも若いやん。(ちょっとだけ会ったことがある。)」 「いや、あの人は見た目が若作りなだけ。」 「・・・なんちゅーこと言うねん、あんたは(苦笑)。」
そんなふうにひとしきり話したあとで。そうるは言った。 「なんかさー、なんであんたがそんなふうになったのかが分かった気がする。」
言葉の意味がよく分からんくて聞き返したら。 素直で明るいあんたのルーツが見えた気がするって。 あんなお母さんがおるからなんやなって。そうるは言ってくれた。
全身が熱くなった。ぞわぞわーってなった。 おおげさかもしれんけど。ほんまにほんまに嬉しかった。 そうるがあたしをまるごと認めてくれたような気がした。 出会ってから知ったことだけじゃなくて。出会う前のことも含めて。 あたしが積み重ねたものとか。築いてきたものとか。 そーゆうのも全部認めてくれたような気がした。
照れくさくて笑ったら。目頭がじんわりした。 泣きそうになったから。ひたすら笑ってごまかした。 あほっぽいあたしを。そうるはちょっと笑って見てた。 あぁやっぱりこの人にはかなわへんって思った。
ねぇそうる。あんたは時々あまりにもストレートで。 あたしの心のど真ん中を射抜くから。ほんまに困る。 普段あんなに憎まれ口ばっかりやのに。 いきなりずっしりくる言葉をくれるから。どきどきする。
大好きなままちゃんとあんたが。仲良く話してるのがほんまに嬉しかった。 そんな大好きなままちゃんがあたしのルーツやって言ってくれて。泣けてきた。 うまく説明できんけど。家庭の「外」のあたししか知らんあんたが。 「中」のあたしを知ってくれて。そして認めてくれたことが嬉しかった。
ねぇそうる。あたしだけかもしれんけどね。 あんたがあたしの実家に来たことで。あたしの家族と会ったことで。 あたしたちの絆が。またちょっと強くなったような気がしたよ。 そしてこんなふうに。少しずつ深め合っていきたいなって思ったよ。
こんなこと言ったら。あんたはやっぱり笑うかな。
↑もちろん「あほかー!」って殴ってやった(笑)。 |