血を吐くような思いがした。 こんな感覚は久しぶりかもしれん。
それは友達から聞かされた事実で。 あたしには予想さえせんかった事実で。 びっくりしたけど。笑うしかなかった。 適当に話を合わせて。繕うしかなかった。
胸の奥がえぐられるように痛かった。 うまく息ができんくて。苦しかった。 1人になってから。ようやく涙が出せた。 我慢しすぎた涙腺からは。一筋しか零れんかった。
非常事態やのに。頭のどこかは妙に冷静やった。 あぁそうか。そうきたか。またそうなったか。 買いかぶってたな。改心したと思ってたのに。 さすがにもう繰り返すことはないと思ってたのに。 人間って弱いな。あのコも例に漏れず弱いんやな。 そんなことを思って。曇り空をちょっと見上げた。
あたしを支配してたのは。諦めにも似たような感情やった。
ねぇそうる。あたしはイヤやねん。 やっぱりどうしてもイヤやねん。
あんたがあたし以外の誰かを想うのは。 あんたがあたし以外の誰かと関係を持つのは。 あんたの理論ではどんなに許せることでも。 あたしの中では。どうしたって理解できへん。
なんでこんな気持ちにさせるねん。 痛かったこと。苦しかったこと。 忘れられへんけど。思い出したくないのに。
ねぇそうる。ねぇどうしてこうなるん。 あんなに伝えたのに。どうして分かってくれへんの。 あんなに苦しんだのに。どうして忘れてしまうん。
・・・所詮はその程度の後悔やったんかな。
違うやろ。そんなんじゃなかったやろ。 なんで過去まで疑わせるようなことするねん。 なんで積み上げてきた信頼を崩すようなことするねん。 なんでもっとあたしたちの関係を大事にしてくれへんねん。
そうる。もう勘弁して。もういい加減にしてよ。
↑この事実を。あたしはどう受け止めたらええんやろう。 |