【シュークリーム作成日誌】

2002年12月04日(水) SSS#37「瀬戸口→水色速水 ギャグ5」

今日、駅の階段で転びました。
今年に入って、たぶん6回目ぐらいだと思います。自分がひとより転びやすいのかどうかは判りません。
でも、降りている時に膝から転んだのは初めてです。コケた瞬間に、そのまま下まで転がり落ちるかと思ってびっくりしました。
実際にはそのまま階段にべたん!と正座するように転んだので落ちませんでした。
足首と膝を階段の角にぶつけてしまいましたが…;
しかしあれですね。セーラー服の女子高生だった頃は、間髪いれずに回りの人が助けてくれたものですが、今日は誰も助けてはくれませんでした。
不貞腐れた神矢は、月日の流れって残酷だね…などと遠い目をしつつ暫く座り込んでいましたよ(←邪魔です)。
が、ややあってそれはそれは綺麗なお嬢さんが助けてくれたので、世の中捨てたもんじゃないなと思い直したり。
我ながら調子いいですね(笑)




【瀬戸口隆之受難の日 5】



「勝吏様。Dancing Dollの出撃準備が整いましたわ」
「ご苦労だった。幻獣側の情報を出してくれ」
「はい。
 幻獣側勢力
 スキュラ36体(←!?)、キメラ21体、キタカゼゾンビ8体、ナーガ4体、ヒトウバン11体、
 ゴブリン103体。以上です」
「ふむ…ちなみに舞踏機の戦力情報はどうだ?」
「は…。
 瀬戸口…攻撃力10300
         守備力 25
         回避率 98%
         知能  1232…
         (内訳 歴史:15 生活の知恵:20 女性関係:10
              流行:5 速水のこと:1180 その他:2)
         運    3(←…)
      
         装備 超硬度カトラス
             超硬度カトラス
             六尺フンドシ
         以上です」

「待てコルァ!!」
「瀬戸口、何を怒っている」
「怒るわ、このすっとこどっこいが!!何だフンドシって!?舞踏服がメンテ中だって、ほかに何かあるだろうが!!」
「良く聞け、瀬戸口。フンドシは漢の戦闘服だ!!」
「お…漢の、戦闘服…?」

愕然とする瀬戸口。
その後ろで速水は舞に「すっとこどっこい」の意味について質問していた。
その更に後ろで彼らを眺めながら、善行が傍らの若宮に小さく囁く。

「戦士。貴方ももしかして以前はあんな格好で訓練したのではありませんか?」

若宮は、両手にカトラスを持ったふんどし姿の瀬戸口を見て、力の抜けた笑いを漏らした。

「はい、いいえ司令殿。いくら自分達でもあんなシュールな格好で訓練は致しません」
「そりゃそうですよねえ…」

善行の声は、なにやらしみじみとしていた。
その目の前で、芝村準竜師は芝村的演説を熱弁中である。

「いいか、瀬戸口よ。古来日本人は鯨を獲る時には赤い六尺フンドシを締めて挑んだものだ。
 瀬戸内海はクジラ漁も盛んだったが、また鮫も多く、鮫が自分よりも体長の大きな物は襲わないという習性から…」
「知ってるって!大体ここ陸上だし!鮫いないし!!」
「だがな…スキュラのあの姿はクジラにちょっと似ているとは思わんか?」
「理由になるか!!」

瀬戸口はツッコミに声を嗄らしていたが、準竜師はまるで堪えた様子も無く涼しい顔である。
そんな鉄面皮の準竜師も、己の袖をちょんちょんと引っ張る人物を見てたちまち表情を溶けさせた。

「どうした?厚志…」
「勝吏さん。いくらなんでもあんな格好じゃ瀬戸口さんが可哀想だよ」
「む…」

最愛の恋人にそう言われ、流石に準竜師も渋い顔をする。

「いくら春だからって、フンドシ一枚じゃ風邪引いちゃう」

速水君、そういう問題じゃないから。
しかしやけに横に広がった顔をした男は、速水の優しさに激しく感銘を受けた模様だった。

「厚志…お前は友人想いの優しい子だな。よし、今回だけ特別にウォードレスを用意してやろう」
「わーいv」
「…って今回だけかよ!?」

もはや美少年総崩れで顔を引き攣らせる瀬戸口を他所に、準竜師はてきぱきと指示を出す。
間もなく瀬戸口のもとへ運ばれてきたウォードレスは…。

「…おい」
「どうした瀬戸口。さっさと着替えてぱっぱと戦場に移動してさくっとやっつけて来い」
「普通、舞踏服の代わりっつったら、最低でも武尊とかっ!」
「うるさいな。一体それのどこが不満だと言うんだ」

フンドシに代わって瀬戸口が着せられつつあるウォードレスは、互尊狙撃兵仕様。ご丁寧にインカムまで付いたオペレーターバージョンである。

「一番着慣れてるだろうが」
「アホか!!こんなぺらぺらの装甲でスカウトの真似事が出来るか!」
「案ずるな。絢爛舞踏は被弾しないから絢爛舞踏なのだ」
「戦うのお前じゃないからって…」

再び罵りあいに突入しつつあるふたりを、速水はぽややんと見つめている。
どうでもいいが、速水よ。
蒼天よりも青い髪を風に嬲られるに任せ、襟元を肌蹴たワイルド極まる覚醒バリバリなお姿で、ぽややんとするのは止めて欲しい。
ぽややんな覚醒速水は、やはりぽややんとふたりの間に割って入った。

「あの程度の幻獣、ものの1時間で掃除出来るだろう!?
 つべこべ言わずにとっとと行け!!」
「あのね、瀬戸口さん」
「ならてめえが代わりに戦いやが……なんだいvバンビちゃんvvv」

誰がなんと言おうと、青かろうと黒かろうと速水は速水なのである。
その証拠に、瀬戸口はめろめろだ。
速水は瀬戸口を見上げてにっこりと笑った。
その顔立ちは愛らしいことこの上ない。

「僕、瀬戸口さんのオペレーター姿、好きだな。そのウォードレスが一番似合ってるものv」
「…ほ、ほんと?」

瀬戸口さんしっかり!顔がだらしなくなっていますよ!

「僕、瀬戸口さんのその格好、大好きv」

速水のトドメの一撃で、瀬戸口のやる気は400%にまで跳ね上がった。
頬を染めて口許を緩めながら、カトラスを手に取る。

「俺の可愛いバンビちゃんがそう言うなら仕方ないなv
 おにーさん頑張っちゃうぞvvv」
「うんv頑張ってねw瀬戸口さん」

ふたりの遣り取りを聞いてしまった若宮の口は開きっぱなしになっていた。

「し、司令…」
「なんですか、戦士」
「もしかして、瀬戸口って物凄く…阿呆…」
「しっ!本当の事を言ってはいけません」

神妙な顔で口の前に人差し指を立てる善行に、若宮は慌てて両手で口を塞ぐ。
そんな彼らに気付かず、瀬戸口はウキウキとカトラスを磨いている。
普段の彼は阿呆ではない(はずだ)。ただ…いまや彼の脳細胞の99.999999999%は速水への妄想のためだけに使われている状態だった。





つづく。

―――――――――――――――――――――――――――――――
瀬戸口がどんどんアホになっていく…。ま、いっか♪(待て)


…そんな気がする。


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