【シュークリーム作成日誌】

2004年01月06日(火) SSS#59「瀬戸口×速水  ギャグ」

正にヘヴンまみれの毎日で、本館のガンパレサイトとしての存亡が危うくなってきたので(笑)久々にSSS書きました。
やっぱり私の中の瀬戸口ってこうなんですよねー。




【シャワー室設置に関するエトセトラ】


4月のある天気の良い日。5121小隊敷地内に新たな施設が建設された。

「嬉しい。これで徹夜明けも怖くありませんね!」
「速水くんに感謝しなくちゃね」

満足げに微笑み交わす少女たちの視線の先には、真新しいプレハブ小屋があった。
ただのプレハブ小屋ではない。彼女たちにとっては特別なもの。
シャワー室である。
年頃の彼女達にとって、一日の終わりに風呂を使えないということは死活問題であるが、今のご時世は彼女達に頻繁に学校に泊り込むことを要求する。
従って、エースパイロット速水の陳情によるシャワー室の設置は、小隊全員の歓呼の声をもって迎えられた。

「それじゃ、早速入ってみて・・・」
「待ってくれ、お嬢さんたち」

原が意気揚々とシャワー室の扉を開けようとするのを、2枚目じみた男の声が遮った。

「何よ。瀬戸口君」

美しい眉を吊上げた整備主任の前で、彼はちちちと指を振る。

「出来たばかりで試用もまだのシャワーをいきなりお嬢さんたちに使わせるわけには
 行かないさ。
 いきなり熱湯が出て来るようなことがあったら一大事だろう。
 ここはひとつ、俺と速水が様子を見てから…な?」
「な?…って、僕も?」

話を振られた速水は、途惑ったように自分を指さした。

「バンビちゃんには陳情した本人として確認の義務があるだろう」
「…じゃあ瀬戸口は?」
「俺はあっちゃんの保護者だから」

(誰が保護者だって?)

その場に居た全員の呆れた視線を物ともせず、瀬戸口はしっかりと速水の手を握ると、引き摺るようにシャワー室へと連れ込んだ。
薄っぺらんなドアがぱたんと閉まり、次いでかちゃりと鍵のかかる音がした。

・・・暗転。




***




「で、どうしてこんな事になったのですか」

苦労症の中間管理職である善行司令は、深々と溜息を吐きつつ、眼鏡を指先でずり上げた。
善行の言う「こんなこと」とは、目の前の瓦礫の山である。
新品のシャワー室のなれの果てであった。
視線を受けた瀬戸口が、しれっと応える。

「速水上級万翼長が火の国の宝剣まで持ち出して暴れるから…」
「誰のせいだよ!!」

食い付きそうな顔になる速水に、瀬戸口はにっこりする。

「速水も絢爛舞踏章取ったんだから、少しは落ち着きを持たないとな」
「「お前が言うな」」
「何ですか、司令まで速水と一緒になって…。
 ステレオで突っ込まないでも良いじゃないですか」

飽くまでも悪びれない瀬戸口に、際限無く溜息が出る。
善行はこの小隊に来て以来、ずっと胃薬の世話になりっぱなしだった。

「・・・速水君の責任はこの件に関しては不問とします。教室に戻って宜しい」
「え、ちょっと待っ・・・」
「では!僕は失礼します!!」

とたんに慌て出した瀬戸口を残して、速水はさっさと教室に入ってしまった。
追いかけて行こうとする瀬戸口の襟首を善行が掴む。

「とにかく、瀬戸口君が責任を持ってシャワー室を陳情しなおしなさい」
「そんな。司令、俺の発言力知ってるでしょう?
 俺に任せてたら来年まで掛かったってシャワー室なんか出来ませんよ」
「しかし瀬戸口君、君が悪いですよ」
「全部俺のせいですか」
「…速水くんだって、きっと君と一緒にゆっくりシャワーを浴びたかったんですよ。
 それなのに君ががっつくから」
「…」
「速水君は恥ずかしがりですからね」
「………本当にそう思います?」
「ふっ、こと恋愛に関する経験なら私は君にも負けないつもりですよ。
 …伊達に刺されてませんからね」
「…」

凄い説得力だ。
瀬戸口は少し思案するようなそぶりをして、黙って司令室を出て行った。

それから3日後、5121小隊に温泉が設置された。
それからしばらくの間、速水に「一緒にお風呂」提案をしては却下される瀬戸口の姿が、5121小隊の名物になったという。



FIN
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・・・もうナンバー59なんだ。ガンパレネタSSSだけで60本も書く自分が恐ろしい。よくよく暇人ですね、私も。
さて、ヘヴンやって寝るか(オイ・・・)



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