斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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| 2005年04月05日(火) |
モバイル放送を使い始めて約1ヶ月 |
モバイル放送を使い始めて約1ヶ月。 VAIO 505 ExtremeにPCカード版のチューナーカードを挿して持ち歩いて利用している。 最も利用時間が長いのは、オフィス。 仕事用のPCの横に、モバイル放送受信専用にVAIOを並べている。 オフィスなので、音は出さない。 耳はiPodでふさがっているので、映像だけを流している事が多い。 よく利用するチャンネルはCNN、MTV。 CNBCは、昼間は日経の株価情報ばかりなので、見ない。 モバイル放送のせいじゃないけど、垂れ流しの株価情報をリニアな映像で見る事を必要としている人って誰なんだろう? 地上波のTXでもやってるけど。 市況は、PCや携帯電話でチェックするのが普通だと思うんだけど。
使ってみた感想を述べる。
・良いところ −ノイズなしで映像をどこでも試聴可能
・悪いところ −チャンネル切り替えが異常に遅い −チャンネル数が少ない、モバイル向けのチャンネル構成になっていない −アプリケーションの完成度が低い −データ放送は全く使い物にならない
−ノイズなしで映像をどこでも試聴可能 これは正直言って驚いた。 ここまできちんと受信できるとは思わなかった。 自宅、オフィス、電車の中。 どこでもノイズなしで映像が受信可能である。 期待していなかっただけに、これはすごいことだと思う。 ギャップフィラーは、ここまで強力なのか。 FOMAの受信が不可能な場所でもモバイル放送の受信は可能だ。 オフィスの奥まったところまで入っていくと電波が途切れ途切れにはなる。 だが、その場所はFOMAは完全に圏外のエリアである。 FOMAよりもモバイル放送の受信感度のほうが高い。 サービス開始直後でここまでインフラを整備できていることは素直に賞賛したい。
で、次は悪い点。
−チャンネル切り替えが異常に遅い 使ってみて最も気持ち悪かったのが、チャンネル切り替えが異常に遅い事。 チャンネル切り替えに10秒以上かかる。 起動時も同じで、電波を受信してから映像が出るまでの時間が異様に遅い。 慣れないうちは、エラーだと思っていたくらいだ。 EPGのデータ取得も同様で、とんでもなく時間がかかる。 ザッピング的な利用はほぼ不可能、と考えていい。
−チャンネル数が少ない、モバイル向けのチャンネル構成になっていない ユーザーによって必要とする情報は異なるとは思うのだけれど、韓国ドラマをモバイル環境で試聴したいとは思わない。 モバイル放送であれば、視聴時間は短時間だろうし、ながら試聴であるはずだ。 集中して長時間に渡ってモバイル放送を試聴することは、利用シーンから言って考えにくい。 ニュースチャンネルを充実させるべきである。 個人的な希望としては、ブルームバーグが見たい。
−アプリケーションの完成度が低い モバイル放送のPCカード版はHDDへの録画も可能である。 そしてEPGも使える(死ぬほど遅い。ネット経由でもEPGデータは落とせるように作ればいいのにね)。 それにもかかわらず、なぜだか予約録画ができない。 その程度のソフトウエアは簡単に作れるはずだ。 コンテンツプロバイダとの契約上、タイムシフト試聴ができないのだろうか? モバイル放送のユーザーインターフェイスは、PCではなく専用機がベースになっている。 そのせいか、一般的なPCのユーザーインターフェイスの感覚で利用しようとすると、使いづらい。 ハードウエアボタンを実装した専用機のユーザーインターフェイスをそのままPCにポーティングしているため、PCでのユーザーインターフェイスとしてはかなり違和感がある。 また、僕の場合、CNNは音声は英語(副音声)で聴きたいのだけれど、番組が変わるごとに日本語(本音声)に強制的に戻されてしまう。 いちいち切り替えが面倒。
−データ放送は全く使い物にならない データ放送は、まあ、オマケ、という位置付けだろう。 見えるラジオのデジタル版。 PCでデータ放送を試聴すると、どうしてもインターネットと比較してしまう。 携帯電話のコンテンツよりも見劣りがする。 災害対策用かな。 ま、月額300円だし。
映像や音声の画質や音質に関しては、決して優れたものではないが、周波数帯域の割り当てに起因する問題なので、文句を言うつもりはない。 画質や音質は割り切らざるを得ないと思うので、問題にしない。
モバイル放送のビジネスの企画の発端は、米国の車載向け衛星ラジオなのだろうな、と思う。 僕のように映像を主体として利用する人間は、当初のユーザー層として想定されていなかったのだろう。 音声系の衛星ラジオとしてビジネスの企画が立ち上がったのだが、技術的には映像も流せる、ということになり、映像チャンネルを加えた、のではないかと推察する。 映像放送に期待するほうが間違っているのかもしれない。
一方で、ラジオとして捉えると、USENのコンテンツをほとんどそのまま垂れ流し、である。 僕は、12,000曲が蓄積されたiPodを持ち歩いている。 USENを敢えて衛星経由で聴く必然性はない。 僕から見ると音楽放送の競合は、iPod。 米国であれば、衛星ラジオとしてビジネスが成立したのかもしれない。 でも、日本では有料の衛星ラジオが音声放送単独で、ビジネスとして成立する姿を想像することは難しい。 首都圏では、FM局がいくつもある。 iPodだってある。
データ放送は、この情報量、使い勝手では、災害時くらいしか使わないだろう。 そのせいで、僕はどうしても映像チャンネルに期待してしまう。
モバイル放送は、車載、PC、専用機と複数の異なる利用シーンを想定していると思われる。 それぞれの利用シーンにおける視聴スタイル、求められるコンテンツは異なる。 利用シーンが異なり、端末の形態も異なるにもかかわらず、同じコンテンツ、ユーザーインターフェイスで対応しようとしたところに無理がある。
放送インフラとしては、いい線を行っていると思うんだけどなあ。 モバイル、という環境におけるコンテンツのありかた、ソフトウエアの実装について再検討して欲しい。
モバイルPCで視聴している利用者としての僕からのモバイル放送に対する希望は以下のとおりである。
�.船礇鵐優訐擇蠡悗┐梁�度を少しでもいいから速くして欲しい ��EPGに予約録画機能をつけて欲しい ��ブルームバークのような情報主体の放送を充実して欲しい �ぅ罅璽供璽ぅ鵐拭璽侫Дぅ垢呂い�らなんでもPC向けに作り直すべき �ッ肋綰箸離汽ぅ泪詈�送、もしくはそれに近い放送を流して欲しい
落としどころとしては、視聴スタイルを専用機、車載機、PCのどこかに絞るか、全てに対応するユーザーインターフェイス、コンテンツを用意すべきか、である。 もともとのビジネスアイディアは車載向けの衛星ラジオだったのだろう、と思う。 だけど、日本では車載向けのデジタル放送は投資と需要が見合わない。 専用機、車載機の加入者はほとんどいないと推察される。 だったら、PC向けに割り切るべきだと思う。 モバイル放送は、三兎を追って、マスをターゲットにしてもビジネスとしては成立し得ないと思う。 三兎を追ってもしかたがない。 普通に考えれば携帯電話向けに放送すべきなのだろうけれど、現時点では携帯電話向けはCPUパワー、電源等の問題でまだ実現は難しいのだろう。
コンテンツに関しては、モバイルの利用シーンに特化した専用コンテンツをはじめから無理をして揃える必要はないのではないか、と思う。 そんなものをワザワザ作っても、現状ではビジネスとして成立しない。 コンテンツに関しては、既に存在する放送コンテンツの使いまわしで構わない。 愚直なユーザーの本音としては、地上波のサイマル放送してもらえれば、それがいちばんいいんだけど・・・。
携帯電話向けの地上波ワンセグ放送も、ワケのわからない携帯電話向けコンテンツではなく、アナログ地上波をそのままサイマルで流してくれりゃいいのに、と思う。 モバイル向けのコンテンツとは何か?などと難しい事を考える必要はない。 地上波をそのまま流してくれれば、いいのだ。 まずは地上波コンテンツをそのままサイマルで流し、ユーザーの動向や普及状況を見ながら、モバイル向けにコンテンツを充実させていけばよいのだ。
もちろん、モバイル環境でのコンテンツ視聴は、隙間時間で行なわれるし、ながら視聴なので、地上波のコンテンツとは異なった作り込みが必要である。 だが、それらへの対応は、HDDを使用したタイムシフト視聴により、ほぼ充足される。 モバイル向けコンテンツに無駄に投資する余裕があるのであれば、そのエネルギーをサイマル放送、タイムシフト視聴への対応に注ぐべきである。 モバイル放送は有料放送なのだから、タイムシフトによるCMすっ飛ばしも関係ないはずだ。 インタラクティブ性に関しては、僕はユーザーとしてはEC連動や詳細情報など期待していない。 それよりもHDDを利用したタイムシフトを前提とした放送のほうが価値がある。
モバイル放送に加入するような人間は超アーリーアダプターであり、好奇心のためには無駄金を惜しまない酔狂でアホなPCユーザーしかいないのだ。 いっそのこと割り切ってPCユーザー向けにビジネスを再検討すべきだと思う。 いまのままでは、ニッチ層ですら取り逃がす。
インフラはいいんですよ。 一番コストがかかっていると思われるインフラは。 ダメなのは、アプリケーションの仕様とコンテンツなのですよ。 そして、それらは、専用機、車載機、PCに同時に対応しようとしていることから起因している、と思われるのですよ。 PCに関しては、アプリケーションのバージョンアップで対応できる問題なので、ぜひ対応してほしい、と思う。 アプリケーションのバージョンアップなど、インフラへの膨大な投資からみれば、ゴミのような投資だと思うのだけど。 もちろん、コンテンツホルダーがタイムシフトを嫌がったのだろうな、とかユーザーがほとんどいない初期立ち上げでコンテンツホルダーが揃わなかったのだろうなとか、モバイル放送側はコンテンツホルダーに対して立場が弱いのだろうな、という大人の事情は推察できる。 でも、せっかくここまで素晴らしいインフラを用意しておいて、アプリケーションやコンテンツレベルで消えていくには惜しい存在だ。
惜しい放送を亡くしました・・・。
あ、まだ放送を開始したばっかりだった。
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