最近手もとに置いて、しょっちゅう開いているのは森敦。 そして堀田善衛。 水村美苗さんの続編も立て続けにリリースされた。やはり「日本語が亡びるとき」は前段であったのだ。「日本語で書くということ」「日本語を読むということ」この二冊は読まなければ、と思う。
水村さん、森さん、そして「月山」に解説を書かれた小島信夫さんに共通しているのは漱石からの流れだ。 「草枕」「明暗」からのものなのだけれど、ぼくは「門」をもう一度読もうと思う。
というのも、古い黄ばんだ「しおり」が漱石全集の「明暗」の箱からでてきて、そこに偶然、小島さんの書かれた漱石に関する覚え書きのような短文を見つけたからだ。そこに小島さんが最初に大好きになったのが「門」、と書かれていたのである。
私は「みいはー」であるので即座に先達の読書をなぞりたく思ったのだ。しかも次々とリンクしていくわけだから読まないわけにはいかない。
「門」も「明暗」も「続明暗」(水村著)も「定家明月記私抄」も読む。
怠けそうになったら「森敦と語る」(森富子・著)の某ページを読む。 激しい叱咤が書かれているのだ。努力をしないやつは駄目だ、と。
ほかにも強い言葉で「小説を書くこと」への条件が書かれている。
振り返ってみると、ここ数年短い作品をたくさん書いてきた。 なんだか最近、「書くことと読むことを含めた小説の世界」の中に入れてもらえた気がする。
それと待望している村上春樹氏の新作以上かも、と飛び上がったのは、江國香織さんが週刊誌に連載を開始する、という記事だった。
週刊現代に、若干眼が飛んで、街を流れているふうの江國さんの写真がでていて、連載開始の告知が書かれていた。 読まないわけにはいかない。
まして舞台は下町。禁断の恋愛小説、と。 なおさら読まないわけにはいかない。
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