とても暑い日だった。ステロイドの副作用からハナが抜けきったようで、一安心。
相変わらず高村薫を集中的に再読している。それにしてもこの人の風景描写は本当に凄い。「照柿」の飛田新地、「マークスの山」の剣岳、そして「レディ・ジョーカー」の品川・羽田。そして競馬場の臨場感。 ただただ凄いと感心ばかりしている。
考えてみたら、そのどれもがぼくが若い頃に彷徨したり、その頂をを仰ぎ見たり、成人してから仕事で歩いていたところだったりするものだから鮮やかに脳裏に描くことができる。
「晴子情歌」では北海道がでてくるけれど、ここも小学校の時、一年半だけ父の転勤のために住んでいた。
そんな彼女の新刊「太陽を曳く馬」がいよいよ7月24日にでる。 「宗教」というテーマが「1Q84」と被るなあ、と「1Q84」を読んだときに感じたのだけれど、「新潮」に連載していたときに感じた強烈さは「1Q84」とは別種のものだった。あれから原稿に手を入れておられるはずだから、さらにどうなったか、と期待が高まる。
この二冊、たぶんクロワッサンとドイツパンぐらい違う。
さらに塩大福のような江國香織さんの「真昼なのに昏い部屋」の週刊現代での連載も着々とファイルにたまっていて、こちらも毎日読み返している。
まあこれだけ好きな作家が散らばっている人間も珍しいんだろうな。
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