朝５時　構内にはタクシーはゼロ
若者のお客さんが５〜６人並んでた

先頭に居た　お兄さんおひとり乗車
「急いでもらっていいですか　あっ　吐きませんから大丈夫です」

降りるとき「僕　白血病って言われたんです　そんなの信じられますか？
そんな病気　人事だと思ってたんです　ふつうそうじゃないですか？　自分が白血病だなんて」

「今日　行ってすぐ言われたの？」
「先週　血液検査して　ＭＲＡを撮る話が出てたんですけど
『その必要がなくなりました　白血病だから　違う病院でまた検査しましょう』って
やけになって　飲んじゃいました」
「セカンドオピニオンだっけ？　２カ所以上で見てもらった方が確実だからネ」


「親は　何処に住んでるの？」
「東京ですけど　一緒にはいません」
「親には　話さないといけないよ。　戻って来るけど　治療費すごくかかるから」
「親には　話せません　『入院して治療しよう』なんて言われたけど
入院なんか今出来ないし」
「メールでいいから　『白血病かも知れないって言われた
もうひとつ病院に行くように言われたから』って　知らせないとダメだよ
親は　知らせなかったら　『なんで　すぐ言ってくれなかった』って思うから。」
「わかりました。」　笑おうとした彼の顔がゆがんでた…

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