何をそんなに強い風が吹く。
傘壊れた下校途中の子供達が輪になって はしゃいでた。
それを見た時、
台風が来た深夜
友達と車で皇居の「桜田門」まで行き、
そこで「桜田門外の変ごっこ」をしたのを
思い出していた。
友達が井伊直弼になって、俺が暗殺者になって
もう一人の友達が井伊直弼の家来役になって
「桜田門」の広場で
井伊直弼が家来を連れて門から歩き出し
木の影に隠れた暗殺者が傘で井伊直弼を
「うりゃ〜!!」って切って
井伊直弼が「ウ〜やられた〜」って倒れて
家来が「よくも〜」って暗殺者を傘で切ろうとして
暗殺者は家来と戦って相打ちになって
2人で「ウ〜やられた〜」ってなって
3人で台風の深夜「桜田門」の広場の中で
地面に倒れて「ウ〜」ってうめいて
ビショビショになって転げて
俺達の「桜田門外の変ごっこ」をしたのを思い出していた。
そのまま車に乗って首都高乗って
ブランキージェットシティーを大音量でかけて
凄い雨と強い横っ風と
激しいワイパーと車が横にスライドするスリルの敵無しの
首都高1週スピードごっこの思い出までかけめぐった。
今日、壊れた傘で、はしゃぐ小学生を見たのは
印刷物の配達で甲州街道を走らせているときだった。
渋滞で俺の乗ってた車が止まってた両側には
甲州街道の大きな木が風で揺れていた。
「今、この木が倒れてきたら車の屋根にぶつかるな〜」 「そしたら車は潰れるのかな〜」 「俺はペシャンコだな〜」 「木の枝が車の屋根に刺さって、突き抜けてそのまま俺の体も 貫通してしまうのかな〜」 「そしたら俺は即死だな〜」 「木の枝が体に貫通しながら、しばらくは、意識あんのかな〜」 「あっというまだろうな〜。あっ!と言う間」のどぼとけ貫通。 「渋滞中だし・・・・」
タバコ、坂上ミキの東京FM、路肩に枝葉・・・・。
けだるい、けだるい、けっ!だるい・・・・・。つまらん。
中途半端に差し込む陽の光。
何か完全に俺の中で、こらえちまってるものがある。
厄介な自意識過剰は懲りずに強がる。
いつからだ。いつからこうなった?
俺が悪い。俺が駄目。俺が間違っている。
泣きて〜よ。
それでも、ふとした時に楽しいね。
例えば・・・・・・・解りあえた時。 など・・・・。
今日の小学生に「桜田門外の変ごっこ」を
教えてやりたかった。
本当に、本当に、楽しいんだ。
涙が出るほど楽しいんだ。
「う〜やられた〜」って。
クルクル回って倒れるの。
風の強〜い、大雨の深夜
赤い車のテールランプの時々通過なんて
おかまい無しに大の字で雨に濡れて
なんでもありだよ。
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