とっても楽しかった
「LIVEハウスってこういうものだよな」と思った
何かの特別な日でもなんでもない日 その小屋の扉をあけると、とんでもないステージが 繰り広げられている
その日、その時にしか、あり得ない まっすぐな魂が そこにある
コマーシャルにもならない よくある ごく普通の ある日に
それは起きている
出演者も含め、お客さんも その小屋に向かう人達にとっては 「よくある ごく普通の ある日」 ではない
何が起きるか分からない どんな状況であろうと自分の創った作品を 透明に放つ
その小屋で出演者が、お客さんが育つ そしてまた、それぞれが日常に戻る
昨日も、そんな
コマーシャルにもならない よくある ごく普通の ある日に
とんでもない事が起きた
坂井ライさん、tatsuさんと競演したライウ゛ お客さんが沢山居て、みんなとても喜んでくれて そう思ってくれているのが直に伝わって来た事が とても嬉しいのだ
tatsuさんの 素っ裸の、捨て身の突き抜けたステージに奮い立ち
楽屋にて坂井ライさんの 自分のペースで構えた そのたたずまいに安心感と力をもらい
出番直前、オレが目をつぶっていたら おでこにちょこんと氷をつけられ 誰だと思って目をあけたら、それが井上さんで ニヤッと笑ったその顔になんとも言えない愛を感じ
もうこうなったら全てを丸め込んで 「大丈夫だ!」「行って来るぞ!」と思い
楽屋の扉を開き、ステージに向かった 思うがまま、体の動くままやった LIVEが終わり、楽屋に戻り、素になった
昨日、一番疲れたのは 高円寺ALONEのマスター井上さんだと思う
一人でやってるんだもん ちゃんと受け止めてくれるんだもん そして、濃い夜を演出してくれるんだもん 凄いよ。広いよ
tatsuさんの直撃の叫び声 突進する、連打する、なおも挑みかかり圧巻へ導く そのドラマチックなステージに 胸を打たれないわけがないのだ 奮い立つのだ
そして坂井ライさんは あの雰囲気のなかでラストに立ち みんなの注目を一気に背負い 自分の音世界へ呼び込み、誘い込む
ライさんはステージに「酸素水」を持ち込んでいたのだ
「酸素水」という名前にひかれ、どこで見つけたのかわからない その謎のドリンクをライさんは初めて買い 初めてステージで飲み、それが(酸素?が)気管支に入り むせり、多分観ている人が想像する以上に 苦しくなったはずの状況のなか ライさん独特のユーモアを交えながら お客さん、そしてライさん自身をもほぐし お客さんに直感的刺激を放ち、解放し、連れていってくれる 揺るぎのない自分の音楽をやる
あの雰囲気の中で、もしオレがラストを飾れと言われたとして ライさんのような居方が出来かたと思うと、今は出来ないよ でもいつかは、オレもそういう居方になりたい
今はたとえ気持ちは向かっていても 「やりたい。なりたい」の気持ちが素直に向かい まっすぐだったとしても、比べると 音の責任の重さの違いにひれ伏すしかない
よくある ごく普通の ある日に
高円寺ALONEで 「よし!オレも!」の人達がどれ程居た事だろう
オレもその人達の中の一人だ そしてまた、日常へ・・ えっちら、おっちらと働きに行く
働いているが、はたしてそれは「仕事」と呼べるものだろうか 腰を入れて「仕事」をしているのだろうか そんな事を時々、思う事がある
今、思うと 坂井ライさん、tatsuさん、オレは 昨日 三者三様の 自分の「仕事」をしたんだ
そして、とんでもない夜を創りあげたんだ
そんな夜、お客さんが沢山居てくれた事
観てくれた全ての人達に感謝だ
坂井ライさん、tatsuさんと また競演出来る日があると楽しみだが 一夜限りの 昨日と言う日は昨日なのだ
よくある ごく普通の とある土曜日に
突如として発生した事件だったんだ
どこかの 誰かがふと立ちよった時 その小屋の扉を開けた時 そこでは、真近でとんでもない出来事が起きている 「LIVEハウスってこういうものだよな」と思う
特別な事は特別じゃないんだ 凄い事は凄い事じゃないんだ 当たり前の事をやるだけなんだ そんな、当たり前の中で ステージでかっこ良くあっちゃいけないよ かっこよかったら嘘だよ そのまま放つだけだよ
「楽屋っていい名前だよね ステージに登る人達が いつかは楽になりたい いつかはそこに帰りたい という願いからつけられた 夢がその名前のなかには 含まれているんだと思う。」と
このまえ 源さん(高円寺ALONEのマスター井上さん)が言ってた
やり続ける事は、決して楽じゃない事を十分知っているからこそ 言える、こう言う事を言うマスターがいるLIVEハウスが オレの高円寺ALONEなんだ (10年後また変わるかもしれないが!)
出番直前に 目をつぶっている時に ちょこんとおでこに氷をつけられて 目をあけたら、ニヤッといたずらっ子のように 笑っている源さんの顔を観た時 オレの心に羽が生え、ヒラヒラと飛んでいった
次、いくぞ!
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