仕事が終わり職場のエレベーターの中で看護婦さんが「今から合コンなんですよ」と本意ではなく、誘われたので致し方なく参加することになったという表情及び口頭での告知を受けたのだけれど、その看護婦は自己に対して過小評価する傾向があり、その気になればいくらでも男にモテそうな容姿や性格をしているというのに「私はダメなんです」「いいんです私は」などと、うつ病の微小妄想に近いようなキーワードを連発する女性で、それでいて仕事に対しては表立った活躍をするタイプではなく、影でコツコツと着実に目標を達成していくという、なんとも損なタイプの人だなぁと思うのだけど、いいね合コン。どうせ継続的に付き合うような連中でもあるまい。こう、なんていうのかな、いつもと違うキャラでパーッと騒げばいいんじゃないのと、無責任な助言をすると、「他人事だと思ってー」と笑いながら女子ロッカーに消えていった。 女子ロッカーを通り過ぎると喫煙所があって、一服しながら昔の合コン狂だった頃を思い出そうかなぁとぼんやり喫煙所掃除当番表を眺めていたら昨日が当番の日であって、すっかり忘れていて「僕はダメなんです」「いいんです僕は」と、都合が悪くなると、うつ病の微小妄想に近いようなキーワードを連発してメンタルの弱さを演出する強さが僕にはあるのだけど、僕のような弱さを演出する強さを持ってる人は何に対しても無責任に対処することができるんだけど、彼女のように弱さを演出する本当の弱さを兼ね備えている人は、合コンというベースがハイテンションな場でどうやって適応するんだろうなぁ。そういえば妻は合コン行ったことあるのかな。彼女もクールだしなぁ。想像できんなぁ。でもモテるよなぁきっと。綺麗な人だからなぁ。と、とりとめもなく考えていると煙草の灰が落ちて、足で払っていると、喫煙所掃除当番表に「灰を床に落とさない!!」と注意書きがしてあって、「僕はダメなんです。いいんです僕は」と、うつモード全開の防衛機制コントロール最強メンタル状態。 |