昨夜読んだ本から印象に残る部分を抜粋
::::::『オカルト』::::: 田口ランディ 著
あたしは、花を別の目で見るようになってしまった。 タヒチから帰って来てから、どんな花も美しく見える。
いま、あたしの机の前にユリの花が一輪飾ってあるのだけど、それを見るたびにあたしはドキドキする。ユリが美しすぎるから。 そんなふうに花を愛でたことは、今まで一度もなかった。
タヒチの島の人たちが花を飾る。
それを見て、あたしも花が好きになる。 それはひとつの魔法なんだと思う。
あたしは自分で自分に魔法をかけながら生きている。 世界中のいろんな人たちがいろんな魔法を使って生きている。 あたしは世界から魔法を学ぶ。学ぶために旅にでる。
だけど・・・・・。
世界中の魔法が、いま、呪文を解かれようとしている。 魔法なんかないって、大人が叫ぶから、魔法が消えてしまう。
あたしたちは、たぶん、ハリポテのセットすら、本物に変えてしまう魔法を使えるはずなのに。
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