旅行から帰って。久しぶりにそうるに会った。
カレドニアで見てきた夢のような世界を。 あたしが感動しすぎて苦しくさえなったことを。 そうるにひとつ残らず。ありのままに伝えたくて。 あたしは写真を見せながら。いつになくおしゃべりやった。
焼酎を飲みながら。そうるはちゃんと話を聞いてくれた。 ふんふんうなづきながら。へぇーとかほぉーとか言いながら。 「ええ体験してきたなー。よかったなー。」って笑ってた。
インストラクターさんの話もした。 堂々と働くその姿に。職場を愛してるその姿に。 あたしがどれだけ感動して。どれだけ嫉妬したか。 愚痴にならんように言葉を選びつつ。話した。
そうるはあたしの話を聞きながら。ちょっと難しそうな顔をしてた。 何度も見たことのある顔。冷静に何かを分析してるそうるの顔。 またなんか考えてるな・・・今日はなんやろう。そう思ってたら。 案の定。いつもと変わらずしっかりしたことを言ってくれた。
なんかさー。否定するわけじゃないけど。そんないいもんじゃないと思うで。 インストラクターさんのこと。あんたは相当キレイに見えてるけど。 絶対しんどい仕事やと思うで。職場愛せてるかも怪しいと思うで。 あんたも働き出して「白衣の天使なんかありえへん!」って言ってたやん。 でも傍からは天使に見えたりするやろ。そんなもんちゃうか?
・・・でもな。基本的にうちがこうやって疑ってかかるところを。 あんたは感情で突き進んで。キレイなまま信じることができるやん。 物事を感情優先で捉えるのって。前々からのあんたの傾向やもんな。
悪くないと思うで。むしろうちは自分ではそれができんから。 あんたのそーゆうまっすぐなところ好きやし。ちょっと羨ましい。
最後の方は。聞いてて頭の奥が痺れたみたいになった。 あたしは別にまっすぐじゃないし。汚いとこもいっぱいあるし。 ちょっとそれはさすがに買いかぶってるって思ったけど。 でも。そうるがそんなふうに思ってくれてたとは全然思ってなかったから。 なんかほんまやばいくらい嬉しかった。どうしようって思った。
だって羨ましがるのは。あたしの専売特許やったのに。 眩しい相方を見つめて。きぃーきぃー騒ぐのは。 あたしの役割やったはずやのに。だからその逆は慣れてないのに。
そうるってば。どういうつもりや(苦笑)。
ねぇそうる。今さらのように思ったけど。 あんたとあたしには。違うとこがいっぱいあるやんね。 だからこそ。どうしようもなく相手のことが眩しくなって。 時に羨ましくもなって。胸がきゅうきゅうしたりするやんね。
でもそれって。あたしだけやと思ってた。 あんたはそんな気持ちになったりせんと思ってた。
だっていつだって。すごいのは間違いなくあんたで。 あたしはどうしたって。あんたにはちっとも及ばなくて。 ひとりで勝手にあっぷあっぷ溺れてるだけで。 あんたの前では幼い子どもみたいなものやと思ってた。
でも。そうじゃなかった。
あたしにないものを。あんたが持ってる。 あんたにないものを。あたしが持ってる。
落ち着いて物事をいろんな方面から考えられること。 感情に素直になってまっすぐ物事を見つめられること。
欠けてる部分を。相手が補ってくれる。 自分をよりいいカタチに近づけてくれる。 あんたがいてくれてこそのあたしってのは。 たぶんこーゆう意味を含んでるんやと思うよ。 だからこそ。こんなにも恋しいんやね。 こんなにも愛しくて。こんなにも苦しいんやね。
そうる。笑わんといてね。 なんかあんたにお礼を言いたい気分になった。 あほやろ。何を今さらこんなことに感動してるんだか。 ちょっと誉められたぐらいで。何を浮かれてるんだか。
でも。自分に素直なのがあたしのいいところなんよね。 あんたがそう言ってくれたから。あたしはそんな自分を貫くよ。
ねぇそうる。こんなあたしでも羨ましいって言ってくれて。ありがとうね。 ↑あんな色の海がこの世に存在するとは。ほんま泣きそうになったし。 |