ねろえび日記
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2012年11月10日(土)  休暇

刑務官の映画。死刑執行の時に「支え役」をすると与えられる特別休暇をもらって、結婚式をあげ家族と旅行にいく話(この説明ではほとんど伝わらんな)

以前からちょっと気になっていたのと、「ダブルフェイス」で注目の西島秀俊が死刑囚の役で出ているので、ちょうどWOWOWで放送されたから見た。


うむ。
刑務官の仕事(と生活)てな、教育ビデオみたい。
淡々としている。
淡々としているけど、ものすごく重い。
知らない世界を知った、勉強になりました。

というか、刑務官にこんな重荷を背負わせていいのか。仕事とはいえ、もっと改善できないのかと思ったよ。人を殺すのが「仕事」ってのも酷い話だけどさ。
死刑の是非よりも、とりあえず、死刑の方法について、考えさせられた。

あと、教誨師ての、死刑直前に神父だか牧師だかが来たけど、あの役に立たなさ、どころかイラッとさせられる感じは何なの。実際もあんなのなんだろうか。なんでキリスト教限定? とも気になるし。

時間が前後する描き方と、どこでも出没する蟻は何だったのか。
変に意味ありげな色をつけててうっとうしかった。淡々なら素直に淡々してればいいのに。

西島くんの罪状とか妹との関係とか、小林薫と大塚寧々との詳しい事情なんか、説明描写は省略して抽象性を高めてるのはよかったけどな。

それでいて、お祝いの絵とか音楽聴かせるとか、小道具遣いが、うわ〜んと来る。


小林薫、大杉漣ら、おっさんがよかったです。
西島くんは、もしかして“棒”なのかと思ったけど、死刑室に連れてこられた時からの演技は凄かったです。
気になるので「ストロベリーナイト」映画館に観にいっちゃうかも。


2012年11月09日(金)  大奥/サロメ

大奥〜誕生 第5話
今回もおもしろかった。

上様キーック!!のシーンは期待以上。頭が高ーいっ!とか胸ぐら掴みとか。胸がすく。ひゃほー!
絵に描いたように調子こいてる捨蔵も、なかなかおもしろかった。

有功自部屋むっちゃくちゃの惨状も、たまらんかったなあ。ゾッとして戦慄が走るというか、いやいや、しら〜と正座している本人とのギャップがコント風味を醸していて可笑しいというか、もう、震えていいのか笑っていいのか。



サロメ 
多部ちゃんがあまりにステキなので、勢いでWOWOWで録画したまま放置していたのを観た。
話自体は、そんなにおもしろくないけど(バッサリ)、多部ちゃんのサロメ姫はとてもよかった。芝居上手いし、声質もいいし、表情も豊か、動きもキレがある。(表現していることがしっかり)届く子だね。緩急自在。睨み付ける三白眼も魅力的。
可愛く振る舞ったり凄んだりしているのが、家光に重なるように見えて、なるほど、この演技と感心した。

ヨカナーンがイマイチ魅力的に見えなかったのだか、う〜ん、残念。
あと、奥田瑛二が、この人、こんなもんなんだと思ったけど、ヘタレのヘロデ王の役だからそれでいいのか。

セットとか演出が、おもしろかったです。水を使ったり、客席ギリギリの通路、二階建て構造の牢屋、モニター使い、影絵などなど。血ドバーも有無を言わせない迫力があった。


多部ちゃん、「農業少女」「サロメ」「ふくすけ」(これは生で)と見てきたけど、アングラ臭が漂うというかいわゆるわかりにくい芝居でも、そのおどろおどろしさに負けず、清々しく伝えるべきことを表現しているように思う。演出家のおっさんたちが使いたがるのがわかる気がする。

今後は、スカッと楽しいコメディとかの舞台でも観てみたいなあ。台詞の上手さとか高い身体能力を生かした役で。


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