2016年10月15日(土)交代。
二日目の夜からグズりだす。

寝ようとするとクズリの繰り返し。誰かを探してるように海老反りになって黒目を彷徨わせて頭を反らして泣いている。
パパをさがしてるのか?

完全に目覚めたようで目も開くようになってきた。
泣いている顔が男の子っぽくなってきており、数時間単位で顔が変わっていることに気づく。

タオルで包まれた息子をあやしていると、タオルで包んだ犬の亡骸を火葬場に向っているときとダフってしまい涙が溢れてきた。
子供の誕生は嬉しいし、犬の分まで可愛がろうと思ったりもするけれど、
犬にもっと生きていてほしかった。もっとしてあげたいことがあったのに。

犬に色々教えられたからこそグズり続けても穏やかでいられる。
泣いていても可愛いと思える余裕がもてるのは犬と16年過ごして色々あったおかげだと思う。

ぐずるたび抱いて歩いて母乳をやりを繰り返していたが、さすがに2時をまわると寝不足の頭痛とめまいをかんじてナースセンターに子供を預けて3時に就寝。

翌日聞けばミルクを飲むこともなく寝ていたよう。
静かな空間だと泣いてしまうそうな。お腹減ってたわけじゃないのね。
自分の都合で預けたのに手元に帰ってくると私もホッとする。

生まれた子は、髪の毛が長い。
手術台の上で初めて見たとき、第一印象が犬みたいに毛が多いと思った。

生まれた瞬間に泣いたと思ったら、「おめでとうございます」と、
私の胸にしばらく置いてくれたんだけど、不思議と泣き止んだ。
生まれたばかりのせいか、カエル?か犬みたいに伏せポーズのまま丸まっていた。

その後、産後医療師に検査につれて行かれると再び激しく泣き叫んでいた。
医師にヒョイッと連れて行かれたとき、0.03の私の視界には黒々とした彼の髪の毛と体の形が犬の姿とダブリ、
瞬間的にうちの犬が手伝ってくれたんだと感じて涙が出て仕方なかった。

それから縫合。手術よりも縫合の時間が長く、大先生が説明しながら施術していたようだった。
下半身麻酔は初めてだったけど、局部麻酔のおかげか背中の麻酔は思ったほどの痛みではなかったけど、
刺されたときにビクッとなったら、お腹の子が異常に激しく動き出し、お腹の動きで私も動いてしまいそうなぐらいだった。

歯医者で異常にあばれたりしていたから病院嫌いな子なんだと思う。

麻酔から出産まであっという間だったけど、
お腹を押された瞬間があってその苦しさで肩に力が入ったみたいで
筋をおかしくしたようでしばらく右肩が痛かったわ。。。
麻酔や痛み止めが切れてくると体の関節が所々痛いことがわかった。

でも不思議なもので生まれて見ると我が子はかわいいし、
二人目を産んでもいいかなと思える。
産むまで苦しくて大変だけども…。
2016年10月13日(木)入院
入院当日。
犬のこともあってここ数日は犬の写真の整理をしている。
写真で犬を見ているだけで気が紛れる。

死んだ直後より数日が経過して落ち着いてきたころに悲しみが襲ってくる。
特に夜寝付くとき。
電気を消して寝ようとすると犬のことを考えてしまい中々寝付けずテレビをつけっぱなしで寝る日々。

爪が伸びてくると”カシャカシャ”切ったばかりは”ピトピト”と肉球が張り付くような、
ささやかな音を立ててフローリングを歩き、その日常音が無くなった静けさが何とも無機質で殺風景に感じる。

地雷防止(ウンコやおしっこ)に昼間でも無意識に電気をつけてしまったり、縁側や玄関の柵を無意識にまたごうとしてしまったり。
16年間続いた癖が抜けないでいる。

不妊で悩んでいる人にとっては不謹慎な話だろうけど、
自分の子供の誕生より犬が亡くなった悲しみのほうが強くて気が抜けてしまっている。
元々子供に興味がないから余計に…。

旦那とも初めて喧嘩して、何から何まですべて悲しい気分が続いた。
某音楽フェスに気分転換に母とライブに行きたいとお願いしたところ承諾してくれたものの、本当に渋々といった感じて「これっきりにしてくれよ」と言われ、それが納得いかなくて喧嘩になった。

結局はライブは諦めて、私が折れる形になったけど、
やっぱり結婚って私には向いてないと感じた。
何をするにも許可がいる環境が息苦しい。

子供のことを考えろということだろうけどそんな余裕がない。


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月曜の夜にお腹の張りが治まらず、病院に行ったものの
エコーで小一時間様子を見たけど張りは見られずそのまま帰宅。
何とか予定日に入院することが出来た。

午後に母親に送ってもらい、
入院手続きをして問題なく希望のトイレ付きの個室に入れた。
きれいで広い個室で安心。

手術担当の医師が代わる代わる挨拶にやってくる。
どの担当医も感じのいい人ばかりだった。

夜は手術前のエコー。
問題なく頭は下。2度も逆子になる落ち着きのない子っているのか??
最後の1週間でより大きくなり、動きも激しく、
「早く出たくてしょうがないんでしょうね」と母に言われる。
2016年10月05日(水)荼毘
久しぶりということもあってまとまりのない日記になりましたが
一晩経っても悲しいものは悲しい。

悲しんでも仕方ないけど、自分の意思とは関係なくふとしたタイミングで涙が流れてくる。
前触れなく突然悲しみが襲ってきて呼吸すら苦しくなる。
これが失恋程度のものなら時間とともに薄まるんだろうけど、
この気持ちは多分自分が死ぬまで繰り返されるんだと思う。

和室で外を眺めるのが好きだったことと、
遺体を冷やすためもあって、私の寝床である和室エアコンをつけて寝るまでの間は一緒に過ごして
最後は母親と一緒に過ごしたいだろうと思い、母の寝起きしているリビングに運んだ。
(私の部屋は2階なので母の寝室を借りている)
真夏でもないし、保冷剤で冷やしているので腐敗することもないし。
晩年は嫌がって顔の手入れをさせてくれなかったのでむしろ死んだあとの方が無臭だったけど・・・。

昨日は天気予報の割には涼しい朝で、
そのまま窓を開けてリビングで犬と一緒に過ごした。
保冷剤でヒエヒエの身体を撫でて「寒くない〜?」と声をかけたり
頭を撫でたり、最後に肉球ムニムニしたり。
死後硬直はしていても肉球や皮は柔らかいままなんだなぁと。

初めてペットを亡くす経験をしたので頭が回らなかったけど
葬儀場に向かう途中、犬が大好きだった街中の公園を通ったんだけど、
早めに出て思い出の場所を抱っこしてお散歩すればよかったな。

カフェめぐりも大好きで散歩するたびに入りたがったカフェでランチでもすればよかった。
タオルに包んで大きいバッグにでも入れさえすれば周りにわからないし。

私が嫁いたことや、目やに&耳の炎症で異臭を放っていたので
ここ半年以上カフェランチ出来ていなかった。
その症状も大分良くなったのでお茶でもしようと思ってたのにな。
目は見えなくてもなんとなくの雰囲気とか、風の匂いでわかるだろうし。
最後に行ったのはいつだったんだろう・・・。
その時もあんまり目が見えてなかったはずだから、引っ越し直前ぐらいかな。

思い出したように思い出の場所を通って葬儀場に向かった。
葬儀は思ったよりちゃんとしたもので、10分近いお経を上げてくれた。
お焼香もして、手を合わせて。戒名も頂いた。

そのあと祭壇室にあずけてあった犬を受け取って火葬場まで移動して、
家族だけで犬とのお別れの時間があった。
彼氏代わりだったミッキーの縫いぐるみや、カフェで敷物として使っていた母のスカーフ思い出の品やお花で犬を囲んでお別れして、火葬を見届けた。

1時間半ほど、近くで見つけたレストランで食事をした。
偶然なんだけど、そのレストランチェーンの鶏肉が大好きで、母は行くたびに犬のために残してタッパーに詰めて持って帰っていたんだよね。
「ここ1ヶ月ぐらい来てなかったな。もうあげることもないなんて張り合いもないなぁ」と。
食欲がない夏でも、ここの鶏ステーキは喜んで食べていたそうな。

火葬場に戻って納骨。
案外頭蓋骨はちゃんと残っていた。
「ここの黒い部分は内臓で、ウンチもちょっと残ってたのかな」と係の人が説明してくれた。
母と二人で遺骨を骨壷につめて、少し世間話をして係の人にお礼を言って帰ってきた。
最後の最後で涙が溢れて止まらなかった。
16年、犬と一緒に過ごした日々は本当に楽しかった。
もちろん煩わしいこともあったけど、楽しいことしか覚えてない。
ウンチを取るのも、噛まれたり喧嘩したことも今となっては幸せなことだったと心から実感する。

老化したものの、こんなにもあっさり死んでしまうなんて本当に思ってなかった。
介護用のハーネスとか、おむつもいずれは用意しないといけないかな、なんて思っていたのに。
数ヶ月のお漏らしはあったけど、親孝行な子だったんだろうな。

けれど、私が帰ってきてすぐ死ぬなんて、何なんだろうと思うけど、
「最後に会えて安心したんじゃない?」って周りには言われたけど、私にあえて安心して死ねたんじゃなくて、私に母を任せられて安心したんじゃないかと。

そもそも私が母を置いてこの家を出られたのは犬がいたからなんだよね。
犬なしの家だったら実家を出ることはなかったと思う。母と兄の二人きりの生活なんて…。
犬ながらも母を一人にすることが不安だったのかもしれないと思った。

昔に比べて大分マシになったとは言え、日常的に癇癪を起こしてジタバタする兄との生活なんて、私でも母が心配だ。
母のことを考えても死んだのが私がいるときで良かった…。

出産の里帰りとか、事情こそ理解していないだろうけど、
実家を出て以来、いつも日帰りだった私が夜も朝もずっと家にいることがわかって安心して死ねたのかなと。
1週間以上実家に寝泊まりするって、家出てから初めてのことだったもんな。
犬としては私が実家に帰ってきたんだと思ったのかな。

あと、おしっこ垂れ流して耄碌しながらも、母親に迷惑かけてるっていう実感があったのかもしれないわ。
我が犬ながら空気を読む賢い子だったし何より「お母さん」が大好きだったから。

旦那と付き合うまで5年以上彼氏もおらずに毎週実家に帰ってきていたけど
今となってはその分、犬との思い出がたくさん作れて良かったなと思う。
逆に旦那と付き合ってから1年半ほど犬と出掛ける機会が少なくなって申し訳なく思う。
だから犬が一気に老化したこともあんまり実感が無かった。

もうちょっと抱っこしたり、頭撫でたりしておけば良かったな。
抱っこして近所へ散歩もしたかったのにな(ずっと雨で出来なかった)

パソコンを再び修理へ出してしまい暇なので
母が適当に壁に貼ってあった犬の写真を100円ショップのフレームで飾ろうと整理を始めた。
日付印刷嫌いで、いつの写真かわからないので旦那のパソコンで確認しながらまとめるつもり。