薔薇園コアラの秘密日記

2004年12月04日(土) EMPIKにて

 前々から、ポーランド語版 「MARIE CLAIRE」12月が気になってしょうがなかった。なぜかというと、その雑誌の付録に映画のDVDが付いてくるからなんだけど。

 そのDVD映画というのも、なんとなんと女性版ポルノ映画。
 DVDのジャケットの写真には、悩ましげに全裸の男女が絡み合っている。
 一旦そういうものを目にしてしまったら、誰だってやはり見過ごすことは出来ないでしょう? (大なり小なり、カマトトぶっている人はいるけどさ)

 でね、ずっと前から、女性雑誌コーナーにあるのは知ってたんだけど、そろそろ、翌月号が発売になって、今売れ残ってる在庫が全部処分されちゃうかもしれないし、今日という今日は、羞恥心、好奇心、冒険心、ぜーんぶごっちゃ混ぜにしたうえで、さらに、えぇぃ! と勇気をふりしぼって一部購入してみよう! と思い立ったわけなのです、ワタクシ。

 これはねぇ、男の人が、普通の本屋さんでH本を購入するのと同じ感覚で恥かしいし、世間体が気になるものなのですよぉ。いくら私もオバサンになったとはいえ。まだ羞恥心を捨てきっていないですからね。

 さてと。で、ブルーシティのEMPIKにて。

 ここにはまだたくさん、くだんの雑誌が売れ残っていました。
 祐子さん、そ知らぬ顔で女性雑誌のコーナーに忍び寄り、ささっとその雑誌一部を胸に抱え込みました。

 で、それだけというのも、いかにもポルノDVDが目的のように思われるのも恥かしいから、いかにもその雑誌の愛読者風を装って他の女性雑誌「VIVA!」 も一部手に。これには、ブラビやディカプリオのビオグラフィDVDが付録として付いている。そして、祐子さんは何食わぬ顔をして、素早く身をひるがえしてレジへ向かったのです。

 そこのレジには一人の男性の先客がいました。
 「SYLVIA」というタイトルの大判の写真集の上に、DVD1枚を重ねて、そのまた上に、レジの脇に置いてあったリントの板チョコと缶入りチョコを上に置いていました。

 それで、その板チョコや缶で、DVDのタイトルは隠れていたので、何という映画なのかはわからなかったんだけど、いざ、レジのおねえさんが、バーコードで読み取るために、板チョコや缶を手に取ると、その隠れていたDVDのジャケットがいきなりあらわになったわけですよ。

 ホントは他人が買うものをいちいちチェックするかのように見るつもりはなかったんだけど、ただぼんやり順番待ちをしてつまんなかったので、ついついそのタイトルを見てしまったの、私。

 そしたらねぇ、もう、びーっくり! え? えぇー?! ってなかんじ。
 目は点! 口はぽかん!! 
 ちょっとやそっとのことでは動じない祐子さんが、ホントにびーっくり!!
 
 いきなり、そのDVDジャケットを目にしたレジのおねぇさんと先客の男性と、私の三人は、気まずくておもーい空気に支配されてしまいました。

 男性は……、激沈。。。ってなかんじ。

 だって、そのDVDのタイトル、
ANAL CALENDAR」っていうんだもん。
 12ヶ月、その関連のお話、12話収録なんだろうな、きっと。

 ぎゃはは〜、二人の女性にはさまれたその人、よっぽど恥かしかったに違いない。私の雑誌の付録の女性向ポルノDVDなんて、まだまだかわいいもんだぃ。

 くくく。それにしても。衝撃的だったよ。お互いに。
 思い出しただけでも、ぎゃははは〜。

 私がレジで後ろに並んだとき、思い切り気まずかっただろうな、その人。

 

 で、映画DVDは早送りでひと通り観たけど、たいしたことありませんでした。男性モデルのルックスがNGだし。

 でも、男性用のとは、ちょっと視点が違うから、それはそれでまたいいものなのかもしれないけどさ。



2004年12月02日(木) ゴドーを待ちながら

 ただひたすら待つ。遠い目で待つ。 

 祐子はきっと何かを待っているはずなんだけど、その待っているものがなにかははっきりしていない。

 パパではない。さっき帰ってきて、さっさと寝てしまったから。

 電話でもない。基本的にこっちの都合を考えずに、一方的にかかってくる電話には、あまり快く思わない。

 メール……でもない。さっきまで電源を落としていた。スパンメールが一日50件ぐらい。もうメールを開くのもいや。

 きっと私は、具体的には書けないものを待っているのだろう。

 何かのタイミングとか。人生の転機とか。何かの習得の時期とか。
 まぁいい、今晩は。深く考えるのはよそう。

 もう1時半だよ、寝なきゃ。



2004年12月01日(水) ピンクちらし処分!

 ワルシャワ市内に車を停めた人なら、誰でも必ず経験があるはず。
 これでもかー、っていわんばかりの大量のピンクちらし。
 
 短い駐車時間であっても、どこの通りであろうが、必ず、ワイパーにピンクちらしを挟み込まれる。私は路上にゴミとして捨てるのははばかられるので、たいていはそのまま車内に持ち込む。

 で、先日、たくさんたまったので、そのピンクちらしの束を家に持ち帰って、捨てる前に1枚1枚検証してみた。好奇心半分手伝って。

 ふん。
 助平そうなおねぇちゃんがいっぱい露な格好でちらしに写っている。

 住所をチェック。
 ふーん。あそこの通りで、そういうことをやってるのか。
 やぁね〜。

 おねぇちゃんたちの名前をチェック。
 一番よくある名前は、シルビアかも。
 手元にあるちらしに載ってる名前。左から、アガタ、ドミニカ、ジュリア、ドロタ、パオラ、ヴィオラ。ふん、みんな写真の身体つきがすけべそうだ。

 と、ここまでまじまじと検証した後で言うのもなんだけどさ。
 うざい! こういうピンクちらし、むっちゃうざい!!

 ピンクちらし撲滅を訴えるために、運動しよう! とまでは思わないけど、ただ、こういう風俗産業の需要と供給にひたすら嫌悪感を覚えるのだ。

 まぁ、人間の存在とは切っても切り離せないものだから、永久に不滅なのかもしれないけど。

  ♂  ♀  ♂  ♀  ♂  ♀  ♂  ♀

 ところで。

 こういう風俗産業は、新宿歌舞伎町のようなピンク街でやっているのかと思ったけど、ここでは噂には聞いたことが無い。そもそもワルシャワにそういうピンク街なんてあるんだろうか? 

 ちらしを見る分には、ごく普通のマンションの一角で営業しているようだ。近所にも一軒できたらしい。大通りに近く、交通の便がよいところ。ポーランド語オンリーの予約制だけど。

 家に来たことのある人ならわかるかもしれないけど、家の通りに入ってすぐに、左手に、カエルのマークで「Zabka」っていう、黄色っぽいスーパーがあるでしょう? そこの向かいがわに、赤い窓があるんですよ。ハートのマークの。そこがそう。明かりが灯っていたら、営業中。

 いやぁねぇ〜と思いながらも、毎回通るたびに何だか気になって、必ず車の窓から見上げる。

「お、今日は客入りありか」
「お、今日は、誰も来ていないのか」とかって。

 で。うちの主人は、ちょうど帰り道なので、ときどき、そのカエルのマークのスーパーでビールを買ってくるんですよ。

 なーんか、いやじゃない? そんなところで、車を停めて、買い物なんかしたら。知り合いに車を見られたら恥かしいじゃない。あらぬことを勘ぐられたりもするじゃない? 

 金輪際、あそこのスーパーには行かないで! といっておいたのに、一昨日、嬉しそうな顔で、

「あそこのカエルのスーパーでビール買ってきたんだよー」

と満面の笑みで帰宅しました、主人。すかさず、

「お向かいのすけべそうなおねぇちゃん、買い物にきてなかった?」

と聞く私も私だけど……。

 
 

 


 < 過去  INDEX  未来 >


祐子 [MAIL]

My追加