2005年04月06日(水) |
4月8日服喪の日〜ポーランド〜 |
ヨハネパウロ2世の葬儀のため、ポーランド国民は喪に服す。 政府官庁が休むということは聞いていたけれど、ほとんどの民間も休業して服喪するようだ。パパは出張だけど。
ポーランド人のお友達が先週末からずっと嘆き悲しんでいる。 バチカンに行きたいのだという。 ヨハネパウロ2世に別れの祈りを捧げたいのだという。 心の中で本当に大きな存在だったのだという。
方や、祐子さん。じつは4月8日は私の誕生日。 スーパーやレストランなどお休みのところが多いけれども、服喪ということを念頭におきながらも、ちょっとしたお誕生会をする。
4月生まれの人、祐子宅に大集合!
当日はお店が閉まっているだろうから、買い忘れの無いように、計画的に買い物をしないといけない。
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本日、ヨーロッパではJSTVで織田裕二・矢田亜希子主演「ラストクリスマス」が最終回だった。
理人が、ビデオですでに観てしまっているクラスメートの女の子に、結末を聞いたそうだ。
「ママ、絶対内緒なんだけどね、ラストクリスマスはね、結局、織田裕二が交通事故で死んじゃうんだって」 「へぇ、そうなんだ。そういう結末もかわいそうだね……」
とかっていいながら、それ以上、他の知人達には口外せず、親子二人の秘密みたいにして、今回の最終回の日を迎えた。 で、理人とママ、いつ交通事故のシーンがあるか、はらはらドキドキしながら見ていた。最後のエンディングソングが流れても、ここからの最後5分でどんでん返しがあるかもしれない……と、テレビにかじりついて見ていた。
と、こ、ろ、が。なんとなんと、ハッピーエンドではないか! だれじゃぁ、織田裕二が交通事故で死ぬなんていったのは!!!
「僕はさァ、見ている途中で、あ、みんなにだまされたかなぁ……って薄々気づいてたんだよねぇ〜」
などと理人がのたまう。
ママは、理人があまりにもママに秘密めいた言い方をしてきたから、100%頭っから信じていたぞ〜?!
なんだい、鵜呑みにしてだまされたのは、このワタクシかいな。
がはは、ばっかみた〜い。 理人も単純バカだから、回りもだましてからかったら、面白おかしいんだろう。
そういや、二年前の3月にも、PTA送別会に担任の先生の弟さんが一緒についてくる、というのを理人に聞いて、会場で担任の先生と妙にあらたまった挨拶を交わして、「で、弟さんはいまどちらに?」とすっとぼけたことを言ったことがあった。
「あ、あれは、冗談だったんです〜」 って先生苦笑。横にいた奥様も笑っておられたけど。
ったくー。学校で聞いてきたこと、家に帰ってなにげなく報告するからさ、こういうことが起きるんだよね。 ばぁか〜な母親だ。子供の言うこと、ぜ〜んぶ鵜呑みにしてるの。
2005年04月05日(火) |
ポーランド国旗に黒の喪章 |

ローマ法王の葬儀、4月8日に=法王庁幹部
4月4日、法王庁幹部によると、ローマ法王の葬儀は、4月8日に行われる。写真は4日、サンピエトロ広場に掲げられたポーランド国旗 (2005年 ロイター/Yves Herman)(ロイター)20時24分更新
以上、ヤフーのニュースから引っぱってきました。
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ワルシャワは急にぽかぽか暖かくなりました。
外出する人も重いコートを脱いで、軽やかな足取りで行き交っています。
こんな能天気な陽気だけを堪能していると、頭ン中からすっぽりと何かを忘れそうになってしまうんだけど、各家屋に掲げてあるポーランド国旗の黒の紋章がハッと我に帰らせてくれる。「喪に服さなければ」と。
上の画像は、バチカンのサンピエトロ広場のものだけど、ワルシャワではいたるところにこのような旗が掲げてある。
ここは、ヨハネパウロ2世の祖国なのだから、当然であろう。
公共機関のバスも、車体に、この旗と黄色い旗(カトリックの旗?)が掲げられている。テレビ番組は、チャンネルのロゴがいつもは白地のところが黒くなっている。
夕方、エンピックにいったら、新聞がほとんど売り切れ、入り口に立てかけてあった「ヨハネパウロ二世」という本を、入ってきた客が必ず立ち止まって、手に取っていた。
ここに赴任してきた当時のポーランド人の印象。 おとなしい。黙って耐える国民。 そして、瞳が澄んだ人が多いということ。
なぜにあんなに澄んだ瞳をしているのだろうと思ったことがある。 最近になって解った。
カトリックの敬虔な瞳なのである。 キリストの神を信じる瞳、ローマ法王を崇敬する瞳なのであろう。
土曜の夕方。 ヨハネパウロ2世の死去の3時間前、私は近所の教会に足を運んでみた。
敬虔な瞳を持つ信者達がたくさん集っていた。 勿論、その時間帯は横の公園で遊んでいる人もいるし、夕飯を作っている人もいるだろうし、カフェでのんびりしている人もいるだろう。
私は教会の礼拝堂の一番後ろから、人々の祈りの姿を見た。 真摯に祈る姿を見た。
私も、祭壇を前に頭を垂れ、胸元で十字を切った。 十字を切るなんて、生まれて初めての経験であった。 だって、私は神社の娘として育ったのだから。 でも、キリストの神の前では十字を切らずにはいられない何かがあった。
あの時の私も、神を信じる澄んだ目をしていたのだろうか……と思う。 少なくとも、今、卓上の鏡には、奥深くきれいに澄んでいる私の瞳が映っている。
ローマ法王・ヨハネパウロ2世が、2日21時37分バチカンで死去した。84歳だった。
このニュースを日本在住の日本人は「あっ、そ」で済ませてしまうのだろう。カトリック信者も少ないだろうし、遠い国のお話だろうから。
ヨーロッパでは言葉にできないほど大きな喪失にちがいない。 ここポーランドでも、悲しみと祈りで満ち溢れている。 ヨハネパウロ2世は、カトリックの国・ポーランドの出身であった。 バチカンでも400数十年ぶりの外国から迎えた法王だった。 今朝、老若男女、教会に足を運ぶポーランド人がたくさんいた。教会の入り口には、礼拝堂に入りきれなかった人々が、外のスピーカーでミサを聞いていた。
ローマ法王ニュースは、海の向こうの心無いお国では、Xデーを今か今かと待って、後継者問題だけが重要問題として取りざたされているようだ。 父親の死を待たずして、すぐに相続について話し合っているみたいでいやらしい。即物的でうんざりする。
けれども、ヨーロッパ、特にバチカンやポーランドでは、まずは我らの聖父・ヨハネ・パウロ二世の追悼をしている。心から、別れの祈りを捧げる。
日頃、ポーランド人とヨハネパウロ二世について、話題にしたことはない。けれど、ここに住んでいたら、国民の法王への篤い敬愛心が自然と伝わってくる。
ワルシャワでは、お財布にヨハネパウロ二世の写真を入れている娘さんがとても多い。スーパーのレジに並んでいるときに、見ようと思わなくても、目に入ってくるのだ。
ここの人にしてみれば、法王は心の父……なのだろうな。 その父が、昨晩、死去されたというわけなのである。 信者が流す涙の熱さが、ここにいたら異教徒の私にも本当によくわかるのである。
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