こんなサヨナラは久しぶり こんな涙は久しぶり ―恋をしていたの― 私にかえっていく時
本当にかなしくて流す涙 本当にいとしくて流す涙 つらいけれど 私を思い出させてくれる 涙が好き
ずっと生き別れになっていた 私をみつけた それだけでもう ありがとうって 言える
山々の白い雪の景色をすぎて みじかくぐっすり眠ったあと ビルの光をみた あの中にあなたがいるのね
今、何を考えてるの
こんな箱のような家々がならんで 人もとおりすぎるのに
私は今、たったひとりのあなたと出会ってる こんなふうに人のこと考えられたのは 久しぶり。 こんなふうに自分のこと 考えられたのは 久しぶり。 こんな気持ちを思い出させてくれたの
結果なんてどうなってもいい 本当に、愛せたのなら
くしゃくしゃと髪をなでる 手のひら 鳥のあつまる池を 歩く肩
そんなことを思い出すから 涙が出る
恋するとき とっても大切な時間だった 銀河のひとつぶが 燃えたとき
お別れは出会いのはじまり あたらしい私に出会うとき べつべつの時間で、 私たち、生きてく
わたしは十三夜の月
十三夜がくるたびに ちいさな屋根を照らし出す
この世に十三夜がくるたびに ちいさな胸にあかりをともす
この雪に 春の雨がふるとき 心の雪とけてゆくでしょうか
この雪に 強い風がふくとき 心の雪まいちるでしょうか
すみきった 山と山 屋根と屋根 間から何かが のぞいている気がする
遠い日を想い 一日の不思議を想う
この雪が すべて消し去って 新しい私 うまれたらいい
歩道橋の横の木が 風にゆれている 枝も葉も大きくゆれる‥
私は何の仕事をしているの?
風の仕事‥ 木の仕事‥
風は風のしごとをしている 空気をはこび、あたたかさを伝える 木は木のしごとをしている 光をあびてしんせんな酸素を出して 緑のやさしい空気をつくる
私も‥風の仕事をしている 木の仕事をしている わたしの仕事をしている
光をあびて 空気をだして あたたかな街から街へと ただ、それだけを している‥
街から街へ 電車にゆられて― 笑いながら歩く人 やおやさんや服屋の看板 すぎてゆくのをみていると 背中に羽根が生えたみたい 空をとんでるみたい
誰が何といったって 旅に出ることとめられない 背中に羽根が生えたから 風がふいたらとんでゆく
|