台所のすみっちょ...風子

 

 

不器用。 - 2004年02月09日(月)

高校生の時、

「おまえが作ったクッキーが食べたい」という

彼氏の申し出に対し、「いいよぉ〜、任しておいてぇ〜!」と

弾んで見せ、実はその作業の大半を当時中学生だった妹に

頑張らせ、「美味しかったよ!」と誉められるやいなや、

全部自分でこしらえたふりをして、手柄を独り占めに

した私が、時を経た今、同じようなピンチを迎えようとしている。


最近、旦那が「ケーキを作ってくれよ〜」とうるさい。

去年買ったオーブン付きレンジのせいであった。

台所の換気扇の下でタバコを2人で吸う度に、

側にあるレンジを見ては、そう言ってくる。

もちろん、それを選んだのは私。

だが、”機能がある”というだけで、

これからも私の人生にクッキーやケーキを作る予定は、ない。


そんな”妻”という私を充分理解しているハズの彼であるのに、

今回ばかりは引かない。

「私さ〜、不器用じゃん・・」と断ってみるのだが、ダメである。


毎晩繰り返される。

「作ってよ〜」

「いや、、不器用ですから・・」というやり取り。



「不器用ですから」

この言葉を言って許されるのは、

網走番外地などでお馴染みな、本当に演技が不器用な俳優、

高○健ぐらいなもんだと、私はここのところ痛切に感じている。


おしまい。


...

おでん。 - 2004年02月07日(土)

日曜日に買ったごぼう巻きやら、

もち巾着などが、消費期限寸前(いや、一部は切れていた)だったので、

今日はおでんを作ってみた。

食べてみると、一年に作るか作らないかにも関わらず、

意外と美味しくできていた。


このおでん、実は一緒に買い物に行った旦那のリクエストによるものであり、

私は、着手するにあたって彼から意外な注文をつけられていた。

「今度は作りすぎるなよ〜」って。


もちろん、、そんな彼に、

「大丈夫!任してよぉ〜!前みたいに、作ってたら具が
 一つの土鍋で収まり切らなくなって、別の鍋に余ったやつを移したら
 できた量が鍋2つ分で、その日から連続四日間おでんだった、、なんてこと、
 私ももうご免だからさぁ〜!」
 
と、結婚して9年、ベテラン主婦の私がそう

反論したのは言うまでもない。



けれど、ふと目をやった先に見えるガスレンジの上には、

同じ中身の鍋が2つ。



私たち夫婦の

「 すばらしきおでん物語―完食への道 」の幕が、

今、静かに開こうとしている・・。


おしまい。



...

瞳。 - 2004年02月06日(金)

昨日、ゆるゆるとした湯島の坂を登っている途中、

一匹の散歩中の犬と遭遇した。

その犬は白と黒の毛がふわふわとした”チンのでかい版”みたいな

室内犬で、前足2本と後ろ足2本をくっつけ気味にし、

だっちゅ〜の!のようなポーズで、まさにうんこをするところであった。

お尻を小刻みに震わせ、

ポト・・ポト・・と立派なものを2つほど出し、用を済ませた。

(無事に出て良かった・・)

私は安堵した。


だが、事を終えても、その犬がリラックスする気配はなかった。

うまくいったというのに。

それどころか、だっちゅ〜のの姿勢のまま、

黒目を天井に上げ、自分の側を行き交う人々の顔を、

ただ、ひたすら見続けるのだった。


明らかに目撃されたことを、戸惑っているような様子。

私には分かっていた。

その瞳が「み、、道端で、う、うんこして何が悪い、、」と

訴えていることを。


何故なら・・

あれは今から十数年前のこと。予備校仲間と行った

高尾山で、やはり「まさにこれから!」という柴犬に会った時、

「あ〜〜!あの犬うんこしようとしてるぅ〜〜!」と

その犬が途中で出すのを止めてしまうほどの大声で

指を差してしまった私に向けられた、悔しさいっぱいの瞳と同じだったから。


おしまい。


...




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