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ソバージュ - 2004年03月05日(金) 先々週、妹に会った。 頼んでいたハーブティーを、彼女が勤めている店まで 取りに行ったのだ。 私がパーマをかけてから会うのは初めて。 同じ女性として、そして誰よりも私を良く知っている 妹の感想が気になっていたのだが、 店に入った私を見たときの彼女の反応は、 普通に「あっ、お姉ちゃんいらっしゃい」であった。 その激しく笑われるでもない反応は少し前からメールで 「ボヘミアンな女です」とか「スカーレットのようになりました」 とさんざん前フリしておいた賜物だと、私は大いに安堵した。 が、その直後、彼女は私の髪をチラチラ見ながらこう言った。 「な〜んだ。ぜんぜん変じゃないよ。違和感ないよ。 だってお姉ちゃん前もソバージュしてたじゃん」 そう、私は確かに今みたいな髪型をしていたことがあった。 当時、世間ではそれをソバージュと呼んでいた。 ついでに言うとかなり昔、12年前のことであった。 私のくるんくるんパーマ。 いくら、失敗といえども美容院での私のオーダーは 「今流行りのアンニュイなナチュラルなパーマでお願いします」 であり、流行の波に確実に乗ったハズだった。 なのにハタから見ると、それが昔々、巷に溢れていたソバージュと 何ら変わりがないなんて・・。 妹よ! 私自身も(なんとなくそうかも・・・)と思いつつ、 (いやいや、そんなことないもん!)と心の中でごまかしてきた 恐ろしい事実を君は口に出してしまった。 妹よ! 「ソバージュ」って言ったなぁ〜〜〜! おしまい。 ... 蛤(はまぐり) - 2004年03月04日(木) せっかくのひな祭りなので、 蛤のお吸い物など、作ってみることにした。 バイトの帰り、新しくできたスーパーに寄ってみると やはり考えることは一億総主婦、皆一緒らしく、 魚売り場はそれを求めようとする女性たちで溢れていた。 家に着き、早速台所に向かった。 売り場のオジサンは砂出しはしなくて大丈夫と言っていたが、 とりあえずボールに張った塩水の中に ひと山350円の蛤たちを開けた。 自慢じゃぁないが、私は貝の砂出しなんてやったことない。 どうなるんだろう・・・と興味津々で眺めていたら、 塩水に浸かった蛤たちから、砂と共に小さな泡が ぽこん・・ぷくんと出始め、中にはリラックスのあまり 先が割れた舌みたいなものまで出すヤツまでいて、 「海の中と勘違いしてやんの〜」とちょっと面白かった。 まんまと私の「しょっぱい水作戦」に引っかかり、 あっさり砂を吐いてしまった蛤たち。 そのさまは、 本当は飲みに行くのに、 「ハァ〜、今日は仕事で遅くなる」と会社から電話をかけてよこし、 帰宅後、それを怪しい・・と見抜いた私の誘導尋問に 「す、すみません・・でも、、ほんの、ほんのちょっとだけで、、」と あっさり口を割ってしまう旦那のようであった。 おしまい。 ... 老後 - 2004年03月03日(水) それは土曜日の夜のことだった。 駐車場からの帰り道、建設中のマンションの脇を 通りかかり、私は何気なく足を止めた。 そこにはマンション名と入居日などが書かれた看板と共に、間取りの図が。 買えるわけもないが、価格と住みやすそうなデザインについ目が いってしまったのだ。 ポケ〜っと見ていると、少し後ろを歩いていた旦那が、 私に近寄り、そっと肩に手を置く。 そして・・ 「いくら見たって、うちはマンションなんか買えないよぉ〜〜〜〜〜〜ん」 とひと言。 その場は「そうだよね・・・」と頷いて、また歩き出した私だったが、 家に着いて、時間が経つほど旦那の言葉が気にかかる。 どうもしっくり来ない。 あの時の彼の「買えないよぉ〜〜〜〜ん」の「よぉ〜〜〜〜ん」の ところは 「よほほ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」にも聞こえるような、 または 「ひょ〜〜〜〜〜〜〜ん」にも聞こえるような、 おちゃらかホイホイッ!といった軽いノリの響きであった。 普通なら、愛する妻が夢のマンション前に、 力なく立っている場合、かける言葉は 「今はまだ無理だけど、任しとけ!」であり 「買えるように2人で頑張ろうな!」ではないのか? それがあんな響きでいいのか? 「よぉ〜〜〜〜ん」て・・ 「よほほ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」て・・・ 「ひょ〜〜〜〜〜〜〜ん」て、なんですか? 私たちもいずれおじいさんおばあさんになる。 いつまでも賃貸というわけにはいかないだろう。 旦那が言った言葉を何度も思い出しながら、 彼と一緒で老後は大丈夫だろうか・・・?と、 旦那より確実に5年早くその時期を迎える私は 思わずにはいられないのであった。 おしまい。 ...
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