台所のすみっちょ...風子

 

 

ココナッツ。 - 2004年06月18日(金)

つい先日、八百屋でマンゴーの殻を2個もらった。

前をたまたま通りかかり、店先にあるそれを見つけた私。

どうしても気になって、わざわざ戻ってまでもらったのだ。


間口の小さな、細々した感じの店だった。

中に入り、

「あそこのココナッツなんですが・・」と切り出すと、

人の良さそうな、うちは代々江戸っ子でぇ!みたいな感じの

じいちゃんが、

「あ〜、あれは客の飲んだ後のやつ。あんたも飲む?
 ホラ!飲むやつはここに冷やしてあんの。
 殻に穴を開けてね、飲むんの。210円だよ」

と、冷蔵庫を指差しながら、威勢良く早とちり。

さすがにタダではもらえない。

代わりと言っちゃあなんだが、マンゴーを一つ買った。


夜、旦那に早速報告すると、彼はとても渋い顔をするのだった。

「おまえさ〜、これ以上意味のないものこの家に増やしてどうすんの?」

確かに、家にはずっと前に魚屋に懇願してもらった20個ほどの牡蛎の殻。

海で拾った波で丸く削られた木や貝。

神社から持って来た大量の木・・落ち葉・・etc・・がある。

だが、それは創作のためなのだ。

何かこれで作れるかも・・・とその時は思い、

たまたま、まだ手の方が動いてないだけなのである。


今日、またその八百屋の前を通りかかった。

店先にはまたココナッツの殻が6個ほどゴロゴロしてた。

中を覗くと、入り口からまっすぐに伸びた通路が行き当たった

薄暗いレジの前で、私にココナッツをくれたじいちゃんが、

何故かしょんぼりとうな垂れていた。

寂しそうで悲しそうだった。


親切に殻をくれたじいちゃん・・・それなのに・・。

じいちゃんに報いたい・・・そう思った。

私はいただいたココナッツを、必ずや、

素晴らしい何かに変身させることを心に誓ったのだった。



おしまい。



...

横浜市鶴見区にて。 - 2004年06月17日(木)

今日の昼、吉野家で豚丼温泉卵付き380円を食べた旦那が、

その後入った、横浜市鶴見区のファーストフードで

中年のおばさんに突然声をかけられたそうだ。

真剣にパソコンに向かう彼の姿が彼女の目に止まったらしかった。

「あら〜、、どんなお仕事をしているの?」
「あっ、こういう、、コンピューター関係です」
「そ〜、こんな暗いところでやっちゃ〜、、、目が悪くならない?」
「いや〜、目はもともと悪いっすから〜、それより肩こりますね〜」
「あら〜、ま〜、そ〜〜〜」


おばさんは、水割り作って40年、といったような、少し

はすっぱな感じの女性だったという。

彼女はその後、

「お仕事大変ね〜」とか「そんなパソコンなんか使って偉いわね〜」とか、

ねぎらったり、誉めたりしてくれたそうで、立ち去るときには

「しっかりね!頑張って!」と励ましてまでくれたそうだ。


だが、旦那は打ち明ける。

そんなふうにエールまで送ってもらってなんだが・・

その時、俺が見ていたのは

サーフィンの「波乗り情報」だったのだ、と。



おしまい。



...

結婚ということ。 - 2004年06月16日(水)

先週、とある地方に嫁いだ友人と昼を食った。

久しぶりも久しぶり、会うのはザっと3年ぶりであった。

最近どうよ?とお互いの近況報告の中で、

「どうして、あんな田舎にお嫁に行っちゃったのかなぁ〜」とふと彼女が言った。

それを受けるように、

「どうして、年下と結婚しちゃったのかなぁ〜」と私も。



しばらく考えたのち、私達2人はこの「どうして」の問いに

「つい、うっかり!」という一つの答えを導き出した。

つまり、あの時はそろそろ嫁に行っても良い年だったし、

相手も「おいで」と言ってくれてることだし、

何か、今が絶好のチャンス!てな感じで一気に盛り上がり、

「つい、弾みで結婚してしまいました!」ということだ。



私は思う。

結婚とは「ついうっかり」でしてしまうもの。

そして、その相手とは、自分の「うっかりさ加減」

に気がついた時、

「まっ、いっか!」とアッサリ思い直せる人なのだ、と。


おしまい。


...




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail