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暗示。 - 2005年01月12日(水) 新しい年が明けて、まだちょびっとしか経って いないというのに、早々と失業することが決まった私。 思えば今年の正月は、初っ端から私の身に起こったこの不運を 予想させるものだった。 それは正月の二日のこと。 歯が急に痛くなったのだ。それももの凄く。 実家に帰る前はなんでもなかった歯が、新年早々痛くなり、眠れないほどだった。 痛みは丸二日、私を悩ませ、せっかく母が作ってくれた 新潟の郷土料理「切干大根」や、わらじのようなジューシーな ハンバーグも食べられなかった。 美味しそうな料理を前に、一人寂しくあまっていた年越し蕎麦 をすする・・本当に辛かった。 そして、今日の夕方、クレジット会社から 「お金が引き落とせませんでした」という旨のハガキが届いた。 何度考えても不可解であった。入金はギリギリの金額だが入っていたはず。 しかし、さっき火災保険会社から来た保険更新のハガキを目にして すべての謎が解けた。 旦那名義の火災保険。その更新料の引き落とし口座が、何故か私の口座 であった。クレジットが引き落とせなかったのは、 先に火災保険でお金が持って行かれ、残高不足だったのだ。 さらに今、セーターを脱ごうとしたら、ビリビリ〜と右わきの下あたりの 部分が破れてしまった。 昨年買ったばかりのいっちょうらだったのに・・。 今年はまだ始まったばかりだが 次から次へとやって来る問題に、早くも耐えられない。 おしまい。 ... 桃色吐息 - 2005年01月10日(月) 高橋真梨子の歌に桃色吐息というのがある。 ♪咲かせて 咲かせて 桃色吐息 綺麗と言われる時は短すぎて♪ こんなふうに、「良い時期」というのは、 一生の中で、大抵、ほんのわずかしかないものである。 決して長くは続かないのだ。 昨日、「あっけましておめでと〜ございます!」 などと脳天気に初出勤したら、副支配人から バイト先が3月いっぱいで閉鎖される旨を告げられた。 高い時給。あくびや体操、果てはペットボトルまで頭に乗せ放題の、 私のバイトにたった2年で終止符が打たれることになったのだ。 つまり、4月からは無職である。 ガ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!! おしまい。 ... 駅 - 2005年01月09日(日) 母は駅が好きだと言う。 そこにはいつも旅立ちがあり、何か新しい始まりの予感がある。 新潟からめったに出ることのない母にとって、 駅は自分を一時でもワクワクさせてくれるのだと言う。 だからなのだろう。母は私が東京に戻る時は必ず見送りに来る。 「いいなぁ〜、おまえは東京に行けて」と何度も言いながら。 母は大抵、新幹線に私と一緒に乗り込み、そして発車の7分ぐらい前になると、 ホームへと降りて行く。 ガラス越しに見る、年老いた母はしょんぼりと小さい。 私はそんな彼女から寂しさと悲しさとあったかさを めいっぱい感じながら、発車までの数分を過ごすのが常だ。 だが、昨日は少し違った。 母が新幹線から降りた後、私が荷物を棚に置き、コートを脱いで 改めてホームを見ると、そこに立つ彼女はいつもより百倍楽しそうであった。 ゲラゲラとさえ笑っていた。 隣には体は熊、顔は豚、といった感じの温和そうなおじさん。 母はその人と大いに喋っていたのである。 警察官のような格好をした、たぶん鉄道警備の人だと思われる。 「誰を見送るんだね〜」 「娘ですてぇ〜」 「どの人だね〜」 「あの子、あの向こうの窓際に座ってる子」 そんな会話が交わされたのだろう。暫くするとその警備のおじさんが 私に笑顔を向けた。そして手ま振ってくれた。 発車のベルが鳴り、新幹線がゆっくりすべり出した。 私は手を振り続けた。 母と赤の他人の熊吾郎のような警備員さんに。 いつまでも、いつまでも、彼らが視界から消えるまで・・。 「おめさん、これから家までどうやって帰るんだね〜」 「バスで帰りますてぇ〜」 「さ〜むいっけ気をつけなせ〜」 「ありがと〜」 新幹線の中で、残された母と警備員のおじさんが そう話しているような気がして、私はなんだか可笑しかった。 分かっていたことだが、 新潟から出ずとも母は充分楽しく生きていける、と。 おしまい。 あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします! 風子 ...
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