台所のすみっちょ...風子

 

 

魂の暗示。 - 2005年01月17日(月)

「三年寝太郎」という昔話がある。

冬眠したかのように丸々三年間熟睡した男が、三年経ったある日、

いきなりガバチョと目を覚まし、村の困り事を瞬く間に解決した、という物語だ。


こんなふうに、人間にはやたらと眠い時期があって、

それは転機の予兆なのだという。

先日、ふと本屋で手に取った本にそう書いてあった。

曰く

「もの凄く眠い時期はありませんか?
 それはあなたに転機が訪れる暗示なのです。
 転機を迎えるために充分に休息する。そのためには
 しっかり眠らなければならない。だから眠くなるのです」


それを目にして以来、昼近くまで蒲団と友達の私は

毎日この一説を思い出し、首を傾げるのだ。

こんなに寝ているのに、私に一向に転機は訪れない・・と。


おしまい。


...

ジャガイモ - 2005年01月16日(日)

この冬の帰省で新潟の実家からジャガイモを貰って帰った。

丸々ダンボール一箱である。

なんでも、11月に実家の風呂を改築した際、それが意外に値段の

張る、業者にとってはおいしい工事だったらしく、

施工会社の人がお礼に、とジャガイモをダンボールで2箱もくれたらしい。


実家は母と父の2人暮らし。毎日食べても減らすのは容易ではない。

そこで、娘の登場である。タダでくれるものは何でもいただくのが

私の信条。こりゃ〜いいや!と一足先に帰る旦那の車に

意気揚揚と積んで持って帰ってもらった。


私が東京に戻って今日で9日が経った。

この決して長くない期間の我が家の夕食メニューは

ジャガイモたっぷりのシチュー。

ジャガイモとソーセージの炒め物。

ジャガイモの煮っ転がし・・といったメニューが続き、

さらに今後もポテトサラダ、ジャガイモとピーマンの炒め煮、

カレーと続く予定である。

何故なら、ジャガイモ達の成長に目を見張るものがあるからだ。

凸凹したくぼみの部分からは、芽がニョキニョキと生え、

もはや一刻の猶予、一時の躊躇も許されない状態だ。


この世に生を受けてかなりの年月を経て来たが、

「欲張りすぎて良いことはない」と、

初めて学習したような気がする。


おしまい。


...

10年目のキス - 2005年01月14日(金)

日曜日の夕方、どういう訳か急に旦那とキスがしたくなった。

マンションの前に停めた車中でのことであった。


あたりはぼちぼち暗くなり始め、

街灯や建物のオレンジや黄色の灯りが

夕闇に少しばかりの色を添える。

「ねえ」と私は旦那に声をかけた。そして振り向いた彼に

「キスしようよ」と言って、タコのようにすぼめた唇を、

彼の口に近づけた。


ところが彼は自分の唇を突き出さそうとはしない。

何度私が試みても、顔を横に向け、頬で私のキスを受けようとする。

そしてその度に「だって恥かしいだろ〜」と彼はむくれ顔なのだった。


旦那と結婚して10年。お互いのスッポンポンな姿も見過ぎて、

もはや躊躇うものなど何もないというのに、

たかがキスごときで恥かしいとは片腹痛い。


すかさず彼に喝を入れた。

「頬を出さない!横に逸らさない!唇は中央に、中央に持って来いよ!」


私の迫力に負けて、観念するかと思いきや

「な、なんだよ!そんなこと強制されてできるかよ!」

と逆ギレされた。


その後、暫くの間

「しろよ!」
「い〜や、やだね!」の押し問答が続けられ、

結局、私の「車中キス大作戦」は失敗に終った。


おしまい。



...




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