【シュークリーム作成日誌】

2002年10月27日(日) 週末の時間の使い方

だめだ…(いきなり何?)

なにやらいろいろダメでした、今週の週末は。
なんだか時間の使い方を間違ってますよ、私は…。もう日付変わって月曜日なんですが、話いっこも書けなかったし(涙)

貧乏人のくせにスーツを二着も買い込んでしまいましたよ。セールでもないのに。
黒(…反応するダメ人間v)のパンツスーツと、ベージュのツイードの上下。
両方とも凄く気に入って買ったのに、10万越えの買い物は後からなんだか怖くなります。「ほんとにこれで良かったのか…!?」と物凄く葛藤して七転八倒。貧乏性の小心者。ほんとは秋冬ものの、あったかい遊び着を探しに行ったのに…。
いいんですけれど…いいんですけれどね!
お、おのれ〜!!(←やり場の無い憤り?)

まあそれは良いとして。
11/3のセトハヤオンリーイベント【さんどいっち☆TANGO】で、打ち上げ会が開催されるそうです。スタッフの方中心で、お手伝い神矢もデフォルトで参加です。
詳細は、http://tango.acz.jp/ こちらから。
人数制限ありなので、参加希望者の方は、早めに主催者様宛てtango@tokutoku.or.jpまでご連絡下さいませv
よろしくお願いします。



2002年10月25日(金) SSS#32「瀬戸口→水色速水 ギャグ2」

調子に乗って第二回。…ひょっとして連載?





【瀬戸口隆之受難の日 2】







茫然自失から立ち直るなり、瀬戸口は速水をぎゅうぎゅうと抱き締めた。

「なんで準竜師!?姫さんならまだしも…。あんな24歳にあるまじき老け顔のおっさんの
 どこが良いんだ!ソックス大好きっ子な変態で、国民の血税で自宅の地下室に100坪も
 あるソックス保管庫を作るような奴で、ギャグセンスも無いくせにオヤジギャグが
 大好きで陳情画面で遺影の真似しながら『イェーイ☆』とか言っちゃうような奴だぞ!」

そこまでやってません。
瀬戸口のあまりの誹謗中傷に、速水は困った様子で眉を下げた。

「あんまり酷い事言わないで。僕には大切な人なんだから」
「大切な人!?」

青年のすらりとした長身が、脳天に鉄球でも喰らったかのように仰け反る。
そのまま大袈裟によろめきつつ、瀬戸口は長い指で額を押さえた。

「待てよ…。ほんとにどうしてあんなのを好きになったんだ?
 てか、ほんとに好きなの?何か企んでるんじゃないのか?」
「違うよ、僕は…」

速水はえへへと小さく笑って頬を染める。照れ臭そうに肩を竦め、片手で柔らかな髪をかき混ぜるその様は、まさに恋する乙女そのものだった。
瀬戸口の目は死んでいる。

「だってね。初めて、僕の事、好きって言ってくれた人なんだもん」

それだけ言うと、速水は真っ赤になった頬に両手を当て、小さな子供のようにイヤイヤをした。

(まさか…早い者勝ち…?)

『鳶に油揚げ攫われた』

教室に居た全員の脳裏に、瞬間同じ言葉が浮かんだ。

「そ…」

瀬戸口は震える手を離し、速水の肩を掴んで自分と向き合わせる。

「それなら俺だって幾らでも告白してやる!
 ……。
 好きだ、速水。
 お前が今はあの男を好きでも、必ず振り向かせる。
 七つの世界にかけて、俺は君を好きなんだ。どの世界にあろうとも。
 いつか、かならず、この距離を縮めてみせる。世界を越えて…!」

瀬戸口…。いくら本命の前では上手く告白できないからって…パクリまくりである。
当のイワタマンは幸いにも、ひとり踊り狂っていて気付いていない。
速水はそうとう驚いた様子で、目をぱちくりさせている。
きょとんとした表情が愛らしい。
だが、数秒して事態を把握すると、少し困ったように笑った。

「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいな。でも、ごめんね。
 僕、勝吏さんの恋人だから」

恋人…。しかも名前呼び…?
瀬戸口のみならず、その場に居た全員が心に深い傷を負った。
一気に通夜の如き雰囲気に包まれた教室の中で、速水の周囲半径1mのみが明るい雰囲気である。

コンコン。

教室の戸が、控えめにノックされた。

「誰ですか?」

善行の誰何の言葉に、応える声に全員耳を疑った。

「俺だ」
「勝吏さん!!」

速水がぱっと顔を輝かせる。
肩を抱く瀬戸口を振り払い、仔鹿の跳ねるような足取りで教室の入口へと駈けていく。
振り払われた瀬戸口は、衝撃と精神的ショックでその場に仰向けに倒れる。
後頭部でも強打したのか、ゴチンと鈍い音がしたが誰も気に留めていなかった。
芝村準竜師の前に立ちその顔を見上げる速水の微笑みは、天使も斯くやと思わせるほど、幸福の息吹に満ち溢れている。

「どうしてここに来てくれたの?」
「ふ。可愛い厚志の顔が見たくなってな」
「お前が『厚志』言うな!!」

いつの間に起き上がったのか。
半泣きになりながら、ヨーコさん仕込みの光る右ストレート(※精霊手)を繰り出す瀬戸口。
黙って事態の推移を見守っていた善行が、ここに至って初めて動いた。
左手で愛用の眼鏡を押さえ、右手をパチンの鳴らす。
若宮が、そして来須が、瀬戸口と準竜師の間に割り込んだ。
回り込もうとする虚弱体質オペレーターを、熊本最強スカウトズが羽交い絞めにする。

「離せ!お前ら速水が準竜師の嫁になっても良いってのか!?」

叫びながら渾身の力で振り払おうとする瀬戸口を、これまた渾身の力で押さえつけるマッスル。
いや、そんなに押すと…。




ぷち。




あ、つぶれた。







つづく
…てか、こんなトコで切るな。




2002年10月23日(水) SSS#31「瀬戸口→水色速水 ギャグ1」

事あるごとに食事にお酒にお付き合いくださる我らが小隊一の美女ことシラタマ姐さんと、先日、悪企みのために集結しました。
場所はシラタマさんのテリトリー(?)銀座…ではなく、今回は新宿でした。
私の記憶が正しかったなら、昼から夜までほぼバンビづくし。バンビの饗宴な一日でした。
お昼ごはんはシラタマさんに連れて行って頂いた、洋食屋「バンビ」で。
こもの屋さんを通る度に、レーダーでも付いているのではないかと疑われるほど、バンビグッズに反応する、挙動不審者二名。
目的を果たした後は、若い女性の二人連れらしく…ケーキとお茶ーvと行ったのですが、やはりこのメンツですから(微笑)夕ご飯は呑み屋さんでと相成りました(笑)
更にその後は近くのバーに入ったのですが…、若干酔いの回ったうら若き乙女(謎)、店の片隅でペーパーナプキンを使っていきなり連想ゲームを始めてしまいました。その証拠品は私が押収(?)しました。
こうして後日になってみると、なんだかおかしいです。酔っ払いの思考。

それにしても、私は当日風邪を引いていてへろへろで、シラタマさんに「今日は薬を飲んでいるし、体調もあまり良くないので、お酒は控え目にします…」とか言っていたのですが…。
一体どこらへんで自分の言った事を忘れたんでしょうねえ。私は。








【瀬戸口隆之受難の日 1】





誰かがあからさまに普段と違う態度で接してきたとき、人は必ず不安に駆られる。
曰く、今日の俺は傍から見てどこか可笑しいのだろうか。
曰く、こいつは何らかの下心があって俺に話し掛けているんじゃないか。等。
特に、普段は愛想というものをどこかに置き忘れてきたんじゃないかというような人物が、にこやかに天使の如きぽややんとした微笑を浮かべながら話し掛けてきた時、思わず身構えてしまった瀬戸口に、「お前は疑い深い。もっと素直に生きろ」と説教できる人物はそうそういないだろう。

「瀬戸口君、あのね。僕、お願いがあるんだけど」

にっこり、微笑みつつ小首を傾げる速水のさらさらとした青い髪が、重力に連れて一方向に流れる。
愛らしい顔つきに、愛らしい仕草、愛らしい口調。
例えようもなく似合うはずのその仕草は、瀬戸口の目にはとてつもなく不吉に映った。
普段の速水なら、「お願い」などと余計な前置きなど無い。「士翼号を陳情しておけ」とか、「NEPを接収(?)しておけ」とか。命令一号。二言なしである。
更に、瀬戸口はここ一月ばかり、「不適な微笑み」以外の速水の笑顔を見たことが無かった。

「お願いって何だい?速水…」

出来るなら見なかったことにして立ち去りたい気分で一杯だったが、教室中から注がれる「何とかしろ」視線が全身に痛い。
愛の伝導師の習性か、この上なく愛想良く微笑んでしまう自分が悲しかった。

「お願い聞いてくれるの!」

きらきらと輝くサファイアブルーの瞳が眩しい。
目どころか全身が重圧で潰れそうになる。

「…俺に出来ることならいいけれどな…」

どこか遠くを見つめる瀬戸口。

「君にしか出来ない事なんだ!」

世界も征服出来そうな可愛さ全開の笑顔で応える速水。
クラスメイトたちが固唾を飲んで見守る中、ついにその瞬間がきた。

「お願いっていうのはね…仲人を…やって欲しいんだ」

下を向いて照れながらそういう速水の頬は、桜色に染まっていた。

「な…なこーど?菜コードって…ナコウドのこと?」

ショックのあまり一時的に言語中枢がイカレたらしい瀬戸口は、なぜか片言になっている。
壊れた洗濯機の如く、がくがくぶるぶると震えながら、少年の華奢な肩に手を置いた。

「仲人って事は…結婚…するのか?お前さんが?」
「うん」
「だれ…もしかして、芝村……」
「そう…」

速水の頬はますます紅くなり、しっとりと潤んだ瞳は夜空の高みの星の如き輝きに彩られた。

「そう、僕、結婚するの。芝村…









準竜師と 」






「………。
 …はぁ!?

瀬戸口だけではない。教室中の人間の口が、開きっぱなしになった。


つづく
(↑続くんかい…;)


というか…

という方はクリック。



2002年10月20日(日) 理系じゃない人

すみません。って何がすみませんて週末だというのに、サイト管理何も出来なかった事が。

実は昨日は愛する筆頭様とめくるめく妄想に明け暮れた一日だったとか、いろいろあったんですが、そのご報告は後日にさせていただきます。

今日は一日私の大の苦手な構造力学の授業で死にました。案の定(?)よく判ったり判らなかったりで帰って来てから復讐…いや、復習したり。
三歩歩いては忘れる私の頭では、「後で〜v」とかやってると絶対に訳が判らなくなるからです。まさか始めたばっかりで挫折するわけにもいかないし(苦笑)

頭を悩ませるといえば、尊敬するとある方からSSの添削を依頼されているのですが…どうしよう。添削するまでもなく物凄く面白いし!(困惑)
でも添削…というかアドバイスするからには、これ以上良くならないとしょうがないのですよね。というか、その方のほうが私よりずっと上手なのに、なんで私が添削してるんだか…。
時間かかってすみません;(←私信)
近日中にお返事いたしますゆえ!(明日とか明後日とかには!)


と、仕事の合間にちょこちょこ書いた(書くな)とてもお馬鹿なお話ができあがったので明日辺りSS部屋にアップします。
【赤ずきんちゃん気をつけて】というタイトルですが、パラレルでも何でもありません。赤ずきんちゃんという言葉の意義はありません。普通に小隊の日常風景(?)な、久々にギャグです。
本当は日記に書こうとしていたSSSだったのですが、SSの長さになったのでとりあえず。
こうして脱線ばかりしているから、いつまで経っても依頼品が上がらないのですね…。

ちなみに依頼者の名前は明記しませんが、現在溜まっている依頼品。

・お姫様抱っこな瀬戸速。
・来瀬戸イラスト一枚。来瀬戸速SS二本。
・完全ギャグな裏SS。
・お風呂ネタな裏SS。
・白あっちゃん出演によるダークな裏SS。
・監禁ネタな裏SS(…)
・Fentanestの3話目(…くっ;)
・瀬戸口もてもて話(←微笑v)
・セトハヤパラレルもの。
・ラブラブな来速

あと…まだあったかな。
あったかも(汗)あ、依頼じゃないですけれど、フリフリエプロンでベランダで裏というシチュエーションがありました!(←…)
これだけ溜め込んで…なんて奴だ、神矢。
次のキリ番50000hitで、しばらくキリ番は停止にします。(そりゃそうだ/笑)


↑投票をお願いします(笑)



2002年10月17日(木) 風邪にご注意

今現在、私の周囲では風邪がめっぽう流行っております。

部署内42人中13人が風邪をひいています。
つまり、今私のいる職場に行けば、30.95%の割合で風邪がひけるという事です。
斯く言う私も一昨日あたりから、思う様体調がおかしいです。

ぞくぞくと寒いし、皮膚の表面がちりちりと痛くて、そのうえ首筋のリンパ(?)がずきずきするのです。(熱あるんじゃないのか?)
でも例に拠って熱は測りません。精神的ショックの防止のため(笑)
でも市販の風邪薬を飲んで、大人しく早く寝ることにします。


話は変りますが、現在、私の席はバンビグッズに侵食されつつあります。
例えば、難しい作業をしている時に、パソが5回連続でダウンした時。
思わず椅子を蹴りあげて、周辺の書類を残らずひっくり返したくなるそんな気持ちも判りますでしょう?
そんな時。
机の上の、小さなバンビちゃんのマスコットが目に入ります。
大事ないただき物です。
手のひらにちょこんと乗るサイズの小さな水色のバンビちゃんと、それよりひと回り小さな紫色のバンビちゃんです。
バンビちゃんたちが、そのおっきな目で語りかけます。

「怒っちゃだめだよ。それより、落ち着いてサポートセンターに電話した方がいいよ。サポセンのKさんは友達だから、きっと他のお客を後回しにしてすぐ来てくれるよ。そうだ、ついでにメモリも増設してもらったら?どうせ偉い人たちはパソコンの事良くわかんないんだし。ね?」
(※速水なので、例えぽややんでもアドバイスは冷静かつ打算的)

「…そうだね。電話してみるよ」

という具合に、精神安定(?)に一役買ってくれています。
そんな私の携帯やら手帳やらも、筆頭から頂いたバンビちゃんのシールで、バンビ尽くし。
先日友達に見せたところ。

「ほら、可愛いでしょ?」
「ふーん、可愛いねえ…。でも神矢さんのキャラじゃない」
「う…うん。そうかも」

うちに帰ってからふとんをかぶってこっそり泣こうと思いました。


と、思われた方はぽちっと↑スイッチを押してください。



2002年10月14日(月) SSS#30「瀬戸口×速水 ラブラブ?」

今夜は友人の結婚披露宴に出席します。大学の同窓である彼は物凄くカッコ良い人だったので、正装姿が今から楽しみですv


話は変りますが、神矢は技能習得資格習得のため、予備校に通う事になりました。毎週日曜日と祝日は学校の日です。
でもサンドイッチ☆タンゴ(※11/3、大阪にて開催されるセトハヤオンリーイベント。topページ参照)のお手伝いのためと、祖父の一周忌のために11月は3日も休んじゃうので、振替えで土曜日も結構行く事になるかもです。
私は一体いつSS書いたり、サイト管理したらいいんでしょうか(苦笑)
一次試験が来年の6月。二次試験が9月末です。大体一年近くの戦いになりますが、地道に頑張ろうと思います。
昨日と今日、早速授業に出てきました。きちんと勉強するなんて学生の頃以来。結構面白かったです。
でも、ちょっとでも判らない所が出てくると、苦痛になっていくんだろうなあ…。
頑張って予習復習しないとv(←ちょっと若返った気分/笑)


まあ、そんな感じでわりかし多忙っぽくなってきた神矢ですが、今、いい感じでスランプです(謎)
本編…といいますか、きちんとサイトにアップ出来るようなSSがさっぱり書けませんで。
リハビリと称して、こうしてSSSを頻繁に書きまくっているのですが、なかなか復活しません。

これは同盟発足作業の方を頑張れとのセトハヤの神様のお告げでしょうか(←絶対違う)
CGI苦手…。








【happyness】






うららかな晴れた昼下がり、穏やかに流れる時。
午後の授業はサボる事に決め、可愛い恋人と午後のお茶と洒落込む。
食堂の窓からは、広いグランドを挟んで、向こう側の桜並木が滴るような新緑で目を楽しませてくれていた。
目の前の恋人は、先程から熱心に料理の雑誌を読みふけっている。
自分のために和食のレシピを増やすのだと言ってくれた彼は、折れる程抱き締めたくなるくらい、とてもとても可愛かった。

―――キス、したいな…。

ぼんやりと速水の小さな顔の下方、唇に視線を注ぐ。
薄く小さいのに、どこかふっくらとして柔らかそうで、紅を差している訳でもないのに、淡く綺麗な桜色の。
ぼうっと見つめていると、視線に気付いた少年は照れたような微笑を返してきた。
無邪気な笑顔に後ろめたくなり、慌ててこちらも笑顔を取り繕う。

「コーヒー、もう一杯飲む?」
「ああ…すまんな」

何となく出てしまった謝罪の言葉に、速水は笑って首を振る。
機敏な動きで調理台へと向かう華奢な後ろ姿を見送り、瀬戸口は溜息を付いた。
今の自分は、もしかしてかなりもの欲しそうな顔をしていたのではないだろうか。
速水と恋人になって、もう二週間も経つのだ。
二週間も経つのに。
速水のキスは、どんなに甘いだろうか。
…瀬戸口は知らなかった。



***



意外と愛の伝道師は本命には奥手だった。…と言う理由ではない。
瀬戸口は自分は手広くよろしくやっているくせに非常に独占欲が強く、従って速水厚志という少年を特別だと認識してからは、彼を出来る限り側に置きたがった。
側に、出来るだけ近くに。
出来る事なら彼を自分だけが知る場所に閉じ込めて、朝も昼も夜も愛し合えたら…などと、かなり妄想じみた考えまで抱くほど。
そんな彼が速水にキスも出来ずにいるのには理由がある。
…そういう雰囲気にならないのだ。
笑うなかれ。雰囲気とは大事な物だ。
幸せな滝川と違って、瀬戸口はその場の雰囲気を自分色に染め上げる事すら可能な、何処に出しても恥ずかしくない立派なホストNo.1…いや、愛の伝道師である。
そんな彼に雰囲気を無視して欲望のままに行動するなどという、カッコ悪い真似が出来るだろうか。
いや、出来ない(反語)。
恋人同士がふたりっきりでいれば、自動的に辺りの空気をピンク色に染め上げるようなBGMが何処からともなく流れてくるのが普通である。だが、この恋人達だけは、世界の摂理から外されているらしい。
速水と瀬戸口がふたりっきりで居る時の雰囲気は、「明るい雰囲気」に保たれていた。
常に。

(俺ってもしかして、恋人扱いされてないんじゃ…?)

瀬戸口が遠い目をしてしまうのも、無理はない事かもしれない。



***



しゅんしゅん、とお湯が沸く音がもう少しだけ続いたら火を消そう。
沸かしすぎると水の中の酸素が完全に抜けてしまって、コーヒーが美味しく煎れられなくなってしまう。
コーヒーフィルタをメーカーにセットし、速水は挽いた豆を取り出す。
合成物だったけれど、良い匂いのコーヒーだった。瀬戸口が喜ぶだろう。
速水の口許が自然にほっこりと微笑みの形になる。

(今日は、ずっと一緒に居てくれるのかな。そうならいいな…)

速水は瀬戸口を振り返る。
瀬戸口は、自分が女子高生や人妻に呼び出されて行く事について、「軍の特命を受けて呼び出されている。女性達は軍の工作員だ」と肝心な所は伏せて、しかし完全に嘘ではなく説明した。
普通に考えれば信じられる事ではないだろう。彼は熊本に誇るエースパイロットでも、士官学校出のトップ候補でもなく、一介のオペレーターに過ぎない。
しかし速水は、初めて自分の事を好きだと言ってくれた人の言葉を、全く疑う事無く素直に信じた。
瀬戸口が女性に腕を取られるたび、不安そうに揺れる瞳。
それでも、それは浮気を疑ってではなく、純粋に瀬戸口の身を案じての不安だった。
そうして出掛けて行った人が、自分の側に帰ってきてくれるだけで、嬉しかった。
瀬戸口はいつも優しい。

やさしい声。
やさしい腕。
やさしい眼差し。
やさしい笑顔。

瀬戸口の側にいるだけで、速水は幸せな気持ちになれた。
彼が自分に向けてくれる笑顔は、いつでも極上に甘い。
こんな風に愛情を注いでもらえる事が、こんなにも嬉しい事だなんて知らなかった。

「どうぞ」

コーヒーを置くと、ありがとうと礼を言う声さえ耳に心地よい。
暖かな手のひらが、頭にぽんと置かれる。
そのまま、髪をくしゃくしゃとかき混ぜられた。

「瀬戸口さん」
「ん?」
「呼んでみただけ」
「はは…」
「ここに」
「…?」
「ここに、居るよね」
「ああ」

―――好きな人が側に居てくれるだけで、幸せになれるなんて知らなかった。



速水は幸せで幸せで、その幸せ加減は半端ではなかった。
どれほど凄いかと言うと、瀬戸口とふたりで居る時の速水の状態が「幸福状態」であるのが通常になるほどに。
彼の醸し出す「明るい雰囲気」が、恋人同士のふたりきりのデフォルトである「Hな雰囲気」を圧倒するほどに。
瀬戸口がその事実に気付くまでには、まだまだ時間が掛かりそうだった。







Fin
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Hな雰囲気すら押し退ける、無敵のぽややんあっちゃん。
あっちゃんからの愛情に負けて、瀬戸口はある意味幸福かもです。
…ラブラブバカップル…。



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2002年10月13日(日) 瀬戸口抱き締め隊 発足前臨時会合レポ


タイトルにも御座います通り、暫定ではございますが記念すべき【瀬戸口抱き締め隊 第一回臨時会合】を執り行いました。
…会合っていうか、出席者は隊長と隊員No.1だけだったんですけれど(笑)
このレポは会合の翌日に書いています。

そんなわけで、土曜日はどんべ隊員とお茶とお食事をご一緒して、実に8時間に渉りセトハヤ話に華を咲かせて参りましたv(語りすぎ)

主な議題。
1.瀬戸口がいかにヘタレで情けなくカッコ可愛いかについて。
2.瀬戸口抱き締め隊の入隊資格(失笑)について。

第三者が聞いていたら、そこに愛はあるのかと疑いたくなるんじゃないでしょうか。
それぐらい、私達の認識の中の瀬戸口は情けなさ全開でした。
でも、瀬戸口のへたれっぷりについて熱く語りつつ、それぞれの最後に「でもそこが、可愛いんですよねv(カッコ良いんですよねv)」と付く辺り、やはり瀬戸口への愛は本物と見ました!(爆笑)

入隊資格も半分ぐらい決まりました。本当に隊員が集まるのか不安になるような入隊資格です。物凄いピンです。マニアです。(笑)
あと半分は隊員No.2(Kさん)のご意見も伺いたいと思っておりますv


それでですね。どんべさんから素敵なプレゼントを頂いてしまいました。小さな観葉植物の鉢なのですが。

その名は「パープルハート」vvv

紫色の葉っぱの可愛らしい鉢植えです。
検索してみると、学名はセトクレアセア・パリダ。水色〜薄紫(ピンク?)の花が咲くようです。
和名は紫御殿(笑)。瀬戸口いっぱいなお城ですよv(…)

たかちゃんと命名しました。(←重症)
早速翌日アンティークショップで青い硝子の園芸用霧吹きを購入。
これであっちゃんの愛がたかちゃんに降り注ぐ事に…vうふふーvvv(危険)と喜び勇んで帰宅。

パープルハートは、あまり水をたくさんやらない方がよろしいようです。愛を注ぎ過ぎると不安になって却って枯れてしまうようで(笑)
で、一日1回少しだけ水をやることに。
あっちゃんの霧吹き(違)でやりましたよ、本日の分を。


南アルプスの天然水を。(←もはや末期)


もしかして愛情注ぎ過ぎ!?大事にしすぎですか!!?
だって、だって、たかちゃんですよ!もうこれは可愛がって甘やかすしかないじゃないですか!
花が咲くのが楽しみですv
可愛がりすぎて枯らさないように注意します(←ほんとにな…)





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