+ 空の向こう +
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3月になったというのに外はまだまだ寒い。にもかかわらず、銀次は相変わらずの薄着で街中にいた。 時折強い風が吹く。それにあわせて銀次の金の紙も揺れていた。 そんな寒い中で銀次はある店のショーウィンドウに引っ付いて眺めていた。ガラスの向こうにあるのは七段飾りの雛人形。 もう「子供」と呼ぶには大きすぎるその姿で雛人形を眺めるのにはいささか抵抗はあったものの、ついつい目を奪われてしまう。そうこうして、すでに三十分がたっていた。 時間を忘れて見続けている銀次の首筋にひやりと冷たいものが触った。 「ん?」 違和感を感じてそちらに視線を移す。すると銀色で鋭い刃物が目に飛び込んできた。 銀色で鋭い刃物―――そこここで売っているようなバタフライナイフではなく、普通なら病院で見かけるメスと呼ばれるそれ。 銀次は自分の目を疑った。飛び跳ねてその場から離れたかったが、ぴったりとつけられたそれを見るとそれすらできない。 視線をガラスに戻す。そして、ガラス越しにそこにいるだろう相手の顔を確認した。 風に揺れている黒いコートに大きな帽子。幾度か会ったことのある極力合いたくない相手。 「あ、赤屍さん?これは何かの冗談でしょうか・・・?」 びくびくと怯える声。背中には滝のような冷や汗。できることなら逃げたいのに、ここで逃げようとしたら間違いなく・・・。 背後を取った赤屍はくすくすと笑った。 「そうですねぇ。貴方の姿を見つけたらついやってみたくなったんですよ。このまま手を引けば面白いものが見れそうですが・・・どうします?」 「・・・やめてください。」 楽しそうな声に銀次は涙ながらに訴えた。つい、で殺されては洒落にならない。 相変わらず、帽子の切れ目から覗く赤屍の表情は、少しも崩れることなく微笑っていた。 「本当におかしな人ですね、貴方は。」 本当に冗談だったらしく、赤屍はおとなしくメスを戻した。生きた心地のしなかった銀次はようやく胸をなでおろす。そして、改めて赤屍のほうをむいた。 「珍しいですね、赤屍さんがこんなところにいるなんて。」 見上げると、相変わらずの笑顔で赤屍は銀次を見下ろした。 「貴方こそ。こんなところで何してるんですか?私の気配になどまったく気づかないほど真剣に。」 そう言って銀次の後ろの雛人形を見る。銀次は慌ててショーウィンドウを隠そうとするが、そんな大きなものが銀次の背中に隠れるはずがない。 「雛人形、ですか。しかしなぜそんなも・・・。」 溜め息混じりに赤屍がこぼすとがっと銀次は赤屍のコートを鷲摑みにし、彼を見上げた。 「お願い!誰にも内緒にして!!」 「はい?」 「だから、蛮ちゃんや卑弥呼ちゃんやカヅッちゃんには内緒にして!ね?」 「よく分かりませんね。」 必死に懇願する銀次を冷静に見下ろす。何をそんなに必死にねだられているのかがいまいち理解できない。 銀次に手を離すように促し、コートの皺を軽く払う。そして方向転換すると、銀次を呼んだ。 「一緒に来ませんか?」 それこそ銀次にはよく分からなかったがとりあえず呼ばれたので付いていくことにする。銀次は歩いていってしまう赤屍を追いかけて早足で向かった。 赤屍が入っていったのは銀次がへばりついていたショーウィンドウの店だった。
結局載せちゃった・・・。 いかに自分が善は急げで動いているかと言うのを実感した・・・。 まぁ、これが「善」だとは思ってないが。。。 むしろ恥さらし?(沈没) まぁ、いいや。 ちなみに続きます、これ。 キリのよいところで切ってみました。
あと10分で終わるので急ぎます!! 今日は雛祭りで、ついでに言うとGBの雨流の誕生日です!! 彼は(私的に)とっても楽しくて大好きです。 ボケキャラです。 いじめるときっと楽しいキャラです。 つか、結構花月にいじめられてるっぽいね、どこでも☆ まぁ、お誕生日おめでとなのですよ、はい。 よっしゃー、間に合った・・・。
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